第138話

No.138
15,699
2020/10/10 02:12
轟焦凍
この技は、熱膨張の原理を応用したやつだ。氷結を用いたあとに炎熱を爆発的に放つことで、氷結で冷やされた空気が膨張し爆風を引き起こす。前まではただぶちかますだけだったが、今では少しずつ威力を調節できるようにもなってきてる
あなた
これまともにくらったら、間違いなく相手気絶するでしょ
轟焦凍
ああ。それくらいの威力は十分あるぞ








こっわ。







轟焦凍
元々は、右で氷結、左で炎。両方の個性を同時に使うつもりだったんだが...








弟は両方の手を見つめた。







轟焦凍
まだ俺は、二つの個性を完璧に同時に使うことはできねぇ。同時に使うと、動きが鈍っちまう。まず俺は、必殺技がどうのこうの言う前に、それを完成させなきゃならねぇんだ








弟には弟なりの課題がある。





必殺技だけじゃない。





自分の個性を、どう生かすことができるのか。





必殺技は、自分の個性を最大限に生かさなければならない。





自分の個性を完全に使いこなせていなければ、意味がないんだ。







轟焦凍
あなたはどうすんだ?
あなた
なにが?
轟焦凍
必殺技








それならもう、決めた。







あなた
私は必殺技もそうだけど、まずは炎の威力を上げるよ。私の憧れだった、燈矢兄さんの炎みたいにさ
轟焦凍
そうか。頑張れよ、応援してる
あなた
ありがとう。あんたも頑張ってね
轟焦凍
もちろんだ








私たちは拳を合わせ、再びそれぞれの訓練に戻る。





火力を上げる。





私の最初の課題は、これだ。





燈矢兄さんのように、もっと、熱く。







あなた








今の、って...。







爆豪勝己
あ、おい上っ!








爆豪くんの声で、我に返る。





見れば、オールマイトと私の頭上に、コンクリートの塊が落ちてきていた。







相澤消太
ば、っ!
轟焦凍
あなた!








相澤先生と弟の、焦った声が聞こえる。





私は咄嗟に炎を出そうと、手の平を上に向けた。





が、







緑谷出久
スマァーーッシュ!!!








私が炎を出すより先に、緑谷くんがコンクリートの塊を蹴り飛ばした。





そして見事に着地し、私とオールマイトの方に振り向く。







緑谷出久
大丈夫でしたか!?オールマイト!轟さん!
オールマイト
ああ!
あなた
うん、ありがと








緑谷くんのおかげで助かった。







轟焦凍
あなた、怪我はねぇか?
あなた
ん、平気。大丈夫だよ
轟焦凍
よかった、








私になんともないことがわかると、弟は安心したような表情になった。





心配性かよ。







上鳴電気
なに緑谷!サラッとすげぇ破壊力出したな!
切島鋭児郎
おめぇパンチャーだと思ってた!








いつの間にかきていた二人が、緑谷くんを見つめていた。

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