常闇くんの部屋は、一面真っ暗だった。
ところどころに、紫色のライトが怪しく光っている。
常闇くんらしい部屋だなあ。
部屋に入ってはしゃぐみんなに対して、常闇くんはわなわなと体を震わせている。
でも正直、暗いのが苦手な私にとっては、あんまり好みではない。
あ、常闇くんのセンスがないとか、そういうわけじゃないよ。
ただ単に、私が好みじゃない、ってだけだからね。
次に向かったのは、青山くんの部屋。
私は青山くんとあまり関わったことがないから、どんな性格なのかいまいちわからないんだよね。
けど、なんでだろう。
なんとなく予想できる気がする。
眩しい。
とにかく眩しすぎる。
あ、普通の意味でね。
アイドルが眩しいとか、そんな表現じゃないよ。
青山くんの言葉を遮り、私たちは部屋を出た。
うん、やっぱり予想してた通りだった。
まあ、みんなも大体予想できてたんだと思うけどね。
そう言いながら、振り返る。
と、
峰田くんがそう言って、ドス紫色のオーラを出しながら私たちを見ていた。
...なんか、やばそう。
悪い意味で。
峰田くんを無視して、私たちは3階に上がった。
次に向かったのは、尾白くんの部屋。
うん。
言うことが見つからないのね。
なんか落ち込んでる。
私の言葉に、尾白くんは少し照れたように笑った。
普通が一番だよ、うん。
次の部屋は、飯田くん。
学級委員長の部屋はどんな感じなのかな。
ホント、さすが委員長って感じだよ。
その言葉に顔を向けると、確かにメガネだらけ。
お茶子ちゃんにつられ、私も思わず吹き出した。
うん、次行こう。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!