第355話

No.353
8,735
2021/01/26 13:25
轟焦凍
あなた、せめぇ
あなた
知るか







結局押し切られてしまい、一緒に寝る羽目になる。





てか布団ひとつしかないのわかってるでしょーが。





文句言うなら自分の部屋行けよ。







あなた
じゃあ自分の部屋に戻って寝てくださーい
轟焦凍
やだ







子供かよ。







あなた
なら文句言わないの
轟焦凍
わかった
あなた
そして抱きつかないで
轟焦凍
それはやだ







わがまま多すぎだよぼけ。





あんたただでさえ力強いんだから、抱きしめられるとめちゃくちゃ苦しくなるんだよ。





せめて力の加減をしろや。







轟焦凍
だって今日、全然二人になれなかったじゃねえか
あなた
今二人じゃん
轟焦凍
だから今甘える







いや寝させてくれよ。





思わずあくびをすると、弟は私をじっ、と見つめる。







轟焦凍
...
あなた
なに、どうした...わっ







じっ、と見つめてくる弟に尋ねようとすると、後頭部に頭を回されて抱き寄せられた。





ぼふっ、と弟の胸板に顔が当たったかと思えば、少しだけ周りが温かくなる。







轟焦凍
これなら寝やすいだろ?







横向きになったまま見上げると、弟は私を見下ろしたままふわりと笑った。





いや、逆に寝られないというか...。





確かに温かいんだけどさ。







あなた
あんたが寝にくいでしょ?
轟焦凍
そんなことねえぞ。逆にこっちの方が落ち着くしな







なんでだ。





絶対寝にくいじゃん。







轟焦凍
あったけぇの、嫌か?
あなた
...別に、嫌じゃない







そう言うと、弟は嬉しそうに笑う。





てか、温かいと眠くなる...。





ふわあ、と再度あくびをすると、弟はクスクスと笑いだした。







あなた
なに笑ってんのよ
轟焦凍
いや、可愛いな、って思ったんだ
あなた
っ、







またそんな恥ずかしいことを堂々と...。





さらっ、と言うのやめてよね。





周りの人にチャラ男だと思われるよ、うん。







轟焦凍
お、顔赤いぞ?
あなた
っ、うるさい







他の子にも言ってるとしたらダメだわこいつ。





早く止めなきゃ。







あなた
お世辞はやめてよね。あと、他の子にも言っちゃダメだから







そう言うと、弟はきょとんとして瞬きを繰り返した。







轟焦凍
お世辞じゃねえぞ
あなた
え?
轟焦凍
俺はお世辞なんかじゃなくて事実を言ったまでだ。あなたが可愛いから言ってんだ







真剣な表情で言う弟に対し、私はぽかんとする。







轟焦凍
あと他のやつらにはそんなこと絶対に言わねえ。俺が可愛いと思ってんのはあなただけだからな
あなた
...







やっぱりダメだわ、この無自覚天然。





早くなんとかしないと。

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