第326話

No.325
9,575
2021/01/09 15:18
数分後。







あなた
...







顔面はたわし。





体は爆豪くん。





そして「んだテメコラ」とのセリフ付き。





弟作、爆豪たわしくんが完成。







切島鋭児郎
...
上鳴電気
...








切島くんと上鳴くんは笑いすぎて再起不能。





他のみんなも周りで爆笑している。





私もその中のひとりだ。







爆豪勝己
おい...てめぇ、わざとだろ...?良い度胸してんじゃねえかコラ







爆豪くんは般若のような顔で言いながら立ち上がる。





相当怒ってるね。







轟焦凍
今回はなかなか上手く描けたと...ふっ...思う







あ、笑った。







爆豪勝己
笑ったな?今笑ったな?
轟焦凍
笑ってない







弟は降参だとでもいうように両手を上げる。





一方、爆豪くんはそんな弟の胸ぐらを掴み、片手で爆破を起こしている。







轟焦凍
爆豪。あんま怒ると血管が破裂しちまうぞ
爆豪勝己
誰のせいだと思ってんだよア"ア"!?
轟焦凍
悪ぃ
あなた
あーもう。ほら爆豪くん、抑えて抑えて







火に油を注ぎまくる弟にブチ切れている爆豪くん。





私はそう言って弟から、爆豪くんを引き離す。







爆豪勝己
離せや舐めプ女ァ!!
あなた
わかったってば。いいから離れなよ
爆豪勝己
わかってねぇだろうが!!







ギャンギャンと喚く爆豪くんは、まるで狂犬。





ひとりじゃ爆豪くんの力には到底及ばないだろうから、私は近くで爆笑している瀬呂くんに視線を送る。





そうすれば、瀬呂くんはすぐに気がついたのか、こちらに歩み寄ってきて爆豪くんを押さえてくれた。







瀬呂範太
ほ〜ら爆豪。お前はこっち
爆豪勝己
離せやしょうゆ顔!!
あなた
ありがとね瀬呂くん
瀬呂範太
どーいたしましてっ







さすがはギャップの男。





弟からべりべりと爆豪くんをひっぺがし、みんなから少し離れたところまで連れていってしまった。







あなた
なんでたわしにしたの?
轟焦凍
俺はちゃんと爆豪描いたぞ?
あなた
あーごめん。聞いた私がバカだった







素だってことは間違いないだろうけど、さっきこいつも笑ってたよね?





うーん、どっちなんだろ。







芦戸三奈
でも轟って、最初の頃と比べたらほんと丸くなったよねぇ







突然、三奈ちゃんが言った。





まあ、それは事実だよね。





私だって思うもの。







切島鋭児郎
前は睨みだけで敵倒しそうな雰囲気あったもんな
上鳴電気
わかるわかる。性格もちょっとだけど、見た目も丸くなったんじゃねえの、っつって
麗日お茶子
轟くんてば、幸せ太り〜?







みんなが弟に言いながら、にこにこと自然な笑みを浮かべる。





こういう雰囲気って、なんかいいな。





和むからね。





が、その雰囲気は次の弟のひと言でぶち壊されたのだった。







轟焦凍
大丈夫だ。麗日の方が丸いぞ







そのひと言で、みんなの笑顔がぴしりとかたまる。





そんな中で、お茶子ちゃんがふるふると肩を震わせた。







麗日お茶子
...??私は今いったいなにを励まされたん...?







弟のデリカシーのない言葉のせいで、周りの空気が思いっきり変わる。





もちろんこの後、私と弟はお茶子ちゃんに謝ったのだった。

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