第44話

No.44
22,755
2020/09/07 15:13
轟焦凍
なあ、あなた
あなた
んー?
轟焦凍
なんで俺にこんな格好させてんだ?
あなた
楽しいから








昼食を食べたあと、私たちは普通にショッピングをしていた。





私がやりたいこと、それは...、







あなた
ねぇ焦凍、これ着てみて
轟焦凍
...おう。








弟に服を着せること。





女子同士で来たらもっといいんだろうけど、弟にもちょっとはお洒落してほしい。





あ、別に服を選ぶセンスがないとか、そんなんじゃないよ?





姉の私が言うのもなんだけど、弟は結構お洒落な方だと思う。





でも、最近服のサイズが合わなくなってきてるし、ぼろぼろになってるものも多い。





だから、買い物ついでに着せてるってわけ。







あなた
うーん、こっちよりもこっちの方がいいかな。あ、でもこっちもいいかも
轟焦凍
すげぇ張り切ってんな








ぽやっ、とした表情で、弟は私の手元にある服を見つめる。







あなた
なんか好みある?
轟焦凍
特にはねぇけど...。あなたが選んでくれるものならなんでもいい








うん、いつも通りだね。







あなた
ホントになんでもいいの?
轟焦凍
おう
あなた
じゃあ、これ着てっていったらどうする?
轟焦凍
...








そう言って私は、ある服を見せる。





その服を見た瞬間、弟は無言になった。





そりゃそうだよね。





だって、私が見せたこの服は、







轟焦凍
さすがに、着ねぇかもしれねえ
あなた
でしょ?








猫耳が着いたパーカーだもの。





そりゃ着たくないはずだよ。





でも、







あなた
やっぱ着てみて!








着たところを見てみたいという、好奇心が勝った。





だって見たくない?





弟の猫耳パーカー来てるとこ。







轟焦凍
俺が、これを?
あなた
うん。着て
轟焦凍
...わかった








お、やけにあっさりだね。





弟は猫耳パーカーを手に取ると、試着室に入っていった。





しばらくして、







轟焦凍
...
あなた
おぉ...!








今は姉を捨てようか。





正直に言おう、めちゃくちゃ可愛い。





姉の私が言うのもなんだけど、とにかく可愛い。







轟焦凍
似合うか?
あなた
めちゃくちゃ似合ってる。可愛いよ焦凍
轟焦凍
なんか嬉しくねえ








弟は少し不満そうにしているが、私にとっては満足だ。





こっそり写真なんかも撮っておく。





これ、良い脅し道具になるよ。





てか、これめっちゃ良いね、買おうかな。







轟焦凍
買うのか?これ
あなた
また着る?
轟焦凍
...あなたが言うなら
あなた
じゃあ決まり








とりあえず、猫耳パーカーを買うことは決定。





あとは普通にTシャツとズボンだね。

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