第359話

No.357
8,813
2021/05/11 09:25
バスが来るまでは、かなり時間がある。





行く宛てもなく、3人でぶらぶらと近場を歩く。







轟焦凍







そんな中で、弟が突然声を上げた。







あなた
焦凍、どうかした?







つられて立ち止まると、少し前を歩いていた爆豪くんも立ち止まってこちらを振り向く。







轟焦凍
あなた
あなた
なに?
轟焦凍
ブランコがある







は?







轟焦凍
ブランコあるぞ
あなた
うん。そうだね







ブランコあるのは知ってるよ、ここ公園だもん。





てかブランコがどうしたのさ。







轟焦凍
バスまでまだ時間あるよな?
あなた
うん。あるけど...?







弟は私の言葉を聞くと、くるりと背を向けて公園の方へと歩き始めた。





いやちょっと待て単独行動しないでよ。







あなた
ちょっと焦凍、どこ行くの
轟焦凍
公園だ。ブランコ、一度乗ってみたかったんだ







てってことマイペースに歩いていく弟の背中を、慌てて追いかける。





と、







爆豪勝己
おい







ぐいっ、と腕を引っ張られた。





振り向くと、爆豪くんが眉間に皺を寄せてこちらを見ている。







爆豪勝己
舐めプは?
あなた
なんかそこの公園入ってった。ブランコ乗りたいんだってさ
爆豪勝己
ガキかよ







まあ、弟はブランコとか乗ったことないからね。





ああ言うのもわかるんだ。







あなた
焦凍ひとりじゃなにやらかすかわかんないから、私は公園行くね
爆豪勝己
てめぇはあいつの保護者かよ
あなた
姉です







保護者なんかにするんじゃないよ。





軽くため息をついて、私は公園に向かおうと体の向きを変える。





が、また腕を掴まれた。







爆豪勝己
俺も行く
あなた
別に他のところ行っててもいいんだよ?
爆豪勝己
なんかあったら危ねぇだろうが







別になんもないと思うけどな。





けど、爆豪くんは私が承諾するまで離してくれなさそうだ。





まあ、別に迷惑なわけじゃないし。







あなた
わかった。じゃ、行こ
爆豪勝己
...おう







彼の言葉に了承し、二人で公園に入る。





ブランコに目をやると、丁度弟が座るところだった。





私と爆豪くんは特にすることもないので、近くのベンチに腰を下ろす。









___そしてそのまま1分が経過した。







あなた
いや漕げよ!!
爆豪勝己
いや漕げや!!







私と爆豪くんは立ち上がり、同時にツッコミを入れる。





遊びたかったんじゃないのかこいつは。





それじゃあベンチで休んでるのと同じじゃんか。





なんなら背もたれあるベンチの方がいいよ。

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