第436話

No.433
7,682
2021/04/09 15:10
あなた
峰田くんの発言はいつものことでしょ?
切島鋭児郎
まあそれはそうだな
峰田実
そこは否定しろよ!







いや、さすがにそれは否定できないと思うよ。





弟は不満そうな表情で私を見上げる。







あなた
ここで個性ぶっぱしちゃダメ。ね?
轟焦凍
...わかった







弟は渋々といったように、小さな声で呟いた。







緑谷出久
はぁ...。ありがとう轟さん
あなた
ううん、弟だもの。責任は私にあるよ







そう言って笑いかける。





と、緑谷くんがポンッ、と火がついたように赤くなった。





どうしたんだろ。







轟焦凍
緑谷...
緑谷出久
わーごめん轟くん!違うから!







なにが違うのやら。





ジト目で見つめる弟に対し、緑谷くんは大慌てで両手を振った。







上鳴電気
にしてもほんとに似合ってんな〜!
あなた
なにが?
上鳴電気
姫のメイド服だよ!てか、髪下ろしたらもっといいんじゃね?
瀬呂範太
下ろしてみなよ〜
あなた
まあ、いいけど...







そう言って、私は結っていた髪をほどく。





ふぁさっ、とかすかな音がして、肩の下まである髪がほどけ落ちる。







あなた
これでいいの?







そう言った私を見て、何人かが「おお〜」と声を上げた。







上鳴電気
すっげぇな姫!!めちゃくちゃ印象変わるわ!!
切島鋭児郎
髪下ろすだけでこんな違うのか...
瀬呂範太
なかなかいいじゃん!







ありがたいんだけどさ、ちょっと恥ずかしい。







轟焦凍
...あなた
あなた
なに?
轟焦凍
...







弟が服の袖を掴み、私を見つめる。





ただただ首をかしげていると、弟が突然、私を横向きに抱え上げた。







あなた
え、は、ちょっ、降ろしてよ!
芦戸三奈
きたー!イケメンのお姫様抱っこ!







三奈ちゃん着目するとこそこじゃないってば。





てかミニスカートなんだからやめてよ、めくれちゃうでしょーが。







轟焦凍
悪ぃな、あなたもらってく
あなた
いやちょっと待って...
瀬呂範太
どーぞどーぞ!
上鳴電気
俺らのことは気にせずに!







抱え上げられたままの状態で周りを見ると、全員が瀬呂くんや上鳴くんと同じ反応をしていた。





なんでだ...。







轟焦凍
悪ぃな。じゃ
あなた
いや、せめて降ろしてよ
轟焦凍
やだ







なんでだよ。





ちらりと目を向ければ、みんなは穏やかな表情でこちらを見つめている。





差恥から一気に真っ赤になった私を見て、弟はクスリと笑う。





誰かなんとかしてくれよ、この状況。

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