第471話

No.468
7,600
2021/04/29 14:32
あなた
ま、待って!今のは...
轟焦凍
"なし"とか言うなよ







弟は本気だ。





脳内で逃げなきゃという警告が鳴るが、体は動こうとしない。







轟焦凍
これでも結構、こっちは我慢してんだ
あなた
あ、ちょっ...!







そう言うなり、弟はゆっくりと私を押し倒す。





それから、私を見つめた。







轟焦凍
俺は、お前と"したい"
あなた
...







こくん、と息を呑む。





したい、と...。





弟ははっきり、そう言った。





だけど、







あなた
ダ、メだよ...。姉弟なのに







そうだ、私たちは血の繋がった姉弟。





こんなこと、しちゃダメなんだ。







轟焦凍
お前は嫌か?俺に触られるの
あなた
い、嫌じゃない、けど...







私は思わず目を逸らした。





抵抗できないんじゃなくて、してないだけ。





だって私は、弟が好きなんだから。





お互いに同じ感情を抱いているのは変わらない。





別に弟が嫌なわけじゃない。





ただ恐いだけだ。







轟焦凍
優しくするから...
あなた
...うん。わかった







覚悟を決めて、頷く。





そんな私に弟は優しく微笑むと、次の瞬間、私の首元に顔を埋めた。







あなた
...っ







がぶ、と噛みつかれ、私は声を上げたいのを必死に堪える。





弟は首元から顔を上げると、私を見つめた。







轟焦凍
声、抑えんな
あなた
で、でも...
轟焦凍
いいから







そう言うと弟は、服の裾から手を入れてきた。





思わず体がびくりと跳ねる。







轟焦凍
...脱がすぞ







弟の言葉に、私は黙って頷く。





する、と手を入れてきたかと思うと、すぐに弟の手が私の地肌に触れる。





触られる度に体が反応しつつも、なんとか声を抑える。







轟焦凍
お前のこんな姿、誰にも見せたくねぇな







そう言いながら、弟は笑ってキスをしてくる。





軽く触れるだけのキスを繰り返しながら、手を服の中へと侵入させてくる。





弟の手が、私の下着に触れた。





その時だ。





得体の知れない、恐怖に襲われたのは。







あなた
やっ、待って!!
轟焦凍







思わず声を上げる。





弟は慌てて私の服から手を抜き、驚いたようにこちらを見つめた。







轟焦凍
あなた...?







名前を呟いたかと思うと、こちらを見つめたまま目を見開いた。







あなた
や、やめて...







私の目から、涙が零れたからだ。

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