第75話

No.75
19,351
2020/09/22 05:37
B組の釜戸に火をつけ終わり、私と弟はA組のみんなの元へ戻る。







芦戸三奈
あなた!轟!こっちにも火ちょうだい!
あなた
はーい、今行くね








今度はA組の釜戸ひとつひとつに、火をつけて回る。







瀬呂範太
爆豪、爆発で火つけれね?
爆豪勝己
つけれるわクソが!!








自信満々に釜戸に火をつけようとした爆豪くんだったが、派手な爆発音が響いただけだった。







あなた
爆豪くん、壊しちゃダメだよ?
爆豪勝己
わーっとるわ!








絶対わかってないやつだ、これ。







八百万百
みなさん。人の手を患わせてばかりでは、火のおこし方も学べませんわよ
轟焦凍
いや、いいよ
八百万百
ですが、
あなた
いいんだよヤオモモちゃん。私たちに出来ることなら、なんでも言って








火をつけながら言って笑いかけると、ヤオモモちゃんも笑って頷いてくれる。





うん、可愛い。







麗日お茶子
ありがとう〜!








その声に振り向くと、お茶子ちゃんたちのところに弟が火をつけ終わったところだった。





弟はそこから立ち上がる直前、少し口角を上げて微笑む。





役に立てたことが嬉しかった、そんなふうに思えた。





まあなんだかんだあって、カレー作りは無事に終了。





いただきます、とみんなで手を合わせ、カレーにがっつく。







切島鋭児郎
店とかで出したら微妙かもしれねぇけど、この状況も相まってうめぇ!!
瀬呂範太
言うな言うな、ヤボだな!








切島くんの言う通り、確かにお店とかでは微妙かもしれない。





だけど、みんなで頑張って作ったから、トレーニングで疲れていたからという状況が相まって、とても美味しく感じる。





こうやって楽しく食べるから、っていうのもあるかもしれないね。







芦戸三奈
ヤオモモ、がっつくね〜!
八百万百
ええ。私の個性は脂質を様々な原子に変換して創造するので、沢山蓄えるほど沢山出せるのです
瀬呂範太
うんこみてぇ








瀬呂くんの言葉を聞いて、ヤオモモちゃんはショックを受けたのか、落ち込んだ。







あなた
謝れバカ野郎








私はいてもたってもいられず、瀬呂くんに一発拳を入れる。







瀬呂範太
すいません!!
葉隠透
今のは瀬呂くんが悪いね
耳郎響香
あれは誰が見ても明らかにそうでしょ








おしゃべりしながら食べていると、あっという間にカレーを食べ終えてしまう。





各自で食器を洗って、部屋に戻る。





それからまた、みんなで一緒に温泉に入りにいく。





今日は特に問題なく、峰田くんも女子風呂を覗こうとはしてこなかった。





珍しい、なんかあったのかな。





峰田くんのことだから、リベンジ〜、とか言ってきそうだったのに。





疑問に思いながら温泉を出たあと、途中で会った切島くんがこっそり耳打ちしてくれた。







切島鋭児郎
轟がよ、峰田のこと脅してたんだ。次に女子風呂覗くようなマネしたら、どうなるかわかってんだろうな、って。








なに言ってんだあいつは。







切島鋭児郎
たぶん、姫の裸見られたくなかったからなんだろうな。姫、轟に愛されてんな〜!








そう言いながら、切島くんはばしばしと背中を叩いてくる。





痛いからやめてくれ。







あなた
はぁ...。焦凍、また余計なことやってなかった?
切島鋭児郎
大丈夫大丈夫。そんなことやらねーよ、轟は。
あなた
まあ、そうだね








仮にやったとしても、あいつは天然だから良心でやろうとしたんだろうな、って考えで終わるもの。





もし弟が誤って女子風呂を覗いてしまったとしても、カッコイイから、っていう理由とかで許されそう。





ま、どうでもいいんだけどね。







切島鋭児郎
んじゃな、また明日!おやすみ!
あなた
おやすみなさい、切島くん








こうして、合宿2日目も無事に終了したのでした。

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