第393話

No.391
7,987
2021/03/25 12:13
あれから3分ぐらいたったが、弟がこちらに来ることはない。





これなら逃げきれそうだけど、大丈夫かな。







緑谷出久
あと2分...!
上鳴電気
いけるんじゃね?







上鳴くんがそう言った、次の瞬間。





大きな爆発音が聞こえた。





おそらく爆豪くんだろう。







切島鋭児郎
あ、おいあれ!!







切島くんが声を上げて、ある方向を指さす。





そこに目を向けると、必死に走っている弟の姿が見えた。





どうやら爆豪くんに見つかって、追いかけられているようだ。







緑谷出久
頑張れ轟くん!!
切島鋭児郎
逃げろ轟ィ!!







弟に向かって、みんなが声援を送る。





ツートップの争いだぁ...。







芦戸三奈
あーやばい!
葉隠透
捕まっちゃう!!







爆豪くんの手が、弟に触れる寸前になる。





が、その手が届く前に、弟が氷結で地面を滑って回避。





なんか、スケートやってるみたい。







爆豪勝己
待てやてめぇ!!
轟焦凍
いや、それ逃走中の意味ねぇだろ...







ぎゃいぎゃいとなにか言っているようだが、少し遠くにいる私たちには全く聞こえない。





てか、よく体力もつよね。





さすがは体力お化け。







相澤消太
残り1分30秒
切島鋭児郎
頑張れ轟!あともう少しだぞ!







残りの時間は僅か。





相澤先生の言葉を聞いて、私たちは弟に再び声援を送る。







飯田天哉
頑張るんだ轟くん!!
緑谷出久
あともう少しだよ!
峰田実
捕まったら許さねぇからな!!
耳郎響香
峰田うるさい
峰田実
なんでだよ!!








そんな中で、私も声を上げた。







あなた
焦凍!







弟が私の声に気がついたのか、こちらに顔を向ける。





私は弟と目を合わせ、笑って言った。







あなた
頑張って!!
轟焦凍







弟はこちらを見つめたまま、一瞬、大きく目を見開いた。





が、すぐに前を見据えると、全速力で走り出す。





爆豪くんは少し気をゆるめていたせいか、一気に距離があいてしまっていた。





てか、まだあんなに走れる体力残ってるんだ...。







芦戸三奈
おお!一気に速度上がった!
八百万百
きっとあなたさんの声援のおかげですわね
あなた
えぇ...なんで?
上鳴電気
そりゃ轟、姫のこと大好きだからに決まってるだろ!







率直すぎるでしょーが。





...まあ、あながち間違いではないと思うけど。







芦戸三奈
熱いねぇお二人さん
あなた
やめてよ三奈ちゃん。違うって







私たち姉弟なんだから。





でも、今はちょっと違った関係、って言った方が正しいのかな。

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