第407話

No.405
7,740
2021/04/05 06:03
緑谷くんたちがインターンに出てから、2日後。







轟焦凍
あなた、爆豪、行くぞ
爆豪勝己
うっせぇな行くわ







土曜日。





弟と私、爆豪くんの3人は、寮を出てバス停に向かっていた。







轟焦凍
仮免講習の時間だ
爆豪勝己
おい、後ろ歩けや







キメ顔で言う弟と、それに対して不機嫌そうな爆豪くん。





今日はまた仮免講習。





けれど、私は今日のニュースのことで頭がいっぱいになっていた。







轟焦凍
あなた。元気ねえけど、どうした?







弟がそう言って、私の顔を覗き込む。






轟焦凍
緑谷たちのことか?
あなた
...うん







今朝のニュースで、昨日のことが報道されていた。





その中でも、緑谷くんたちインターン組が関わっている重大な事件があったらしく、そのことで頭がいっぱいになっていたのだ。





大きな怪我してなきゃいいけど...。





というか、いつ帰ってくるんだろう。





報道されてる、ってことは、もう終わったことなんだもの。





それなのに帰ってきていないということは、やっぱりなにかあったのだろうか。






あなた
緑谷くんたち、大丈夫なのかな...







心配でたまらない。





でも、私は言ったんだ。





信じてる、って。





だったら私は、彼らが戻ってくるのを信じて待つしかない。





今私にできることは、それだけだ。







轟焦凍
緑谷なら、きっと大丈夫だ







そんなことを考えている中で弟が口を開き、言葉を紡ぐ。







轟焦凍
緑谷は俺たちのヒーローだから、きっと大丈夫だ。だから今は、それを信じて待つしかねえだろ?








そう言って、弟は微笑む。





弟も、私と同じ考えを持っているんだ。





私はふっ、と笑い、頷いた。







あなた
そうだね







と、先を歩いていた爆豪くんが振り向いた。







爆豪勝己
てめぇらはよしろや。ちんたら歩いてんじゃねえ
轟焦凍
ああ、今行く







私と弟は駆け足で爆豪くんの元へと急ぐ。





バス停に着くと、ちょうどバスが到着した時だった。





あっぶな、結構ギリギリだったよ。







轟焦凍
あなた、俺と座ろう
爆豪勝己
ざっけんなこいつは俺とだクソ舐めプ
轟焦凍
なんでだ。俺の方が早かったぞ
爆豪勝己
理論が小学生並だなてめぇ







まぁたやってるよこの二人。





ぎゃあぎゃあと言い合っている二人を無視して、私は一番後ろの席に座る。





それから二人を見て、にっこり笑った。







あなた
早く座りなさい
轟焦凍
...
爆豪勝己
...







圧が伝わったのか、二人はぴたりと言い合いをやめる。





それからトコトコとこちらに歩いてくると、いつも通り私の両隣に座った。





全くもう、こんなんで仮免取れるのかなぁ。

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