爆豪くんは子供たちの前に立って腰を落とすと、口を開いた。
やっぱりダメだしされてる。
あの子、さっきから結構小学生らしくないこと言うよね。
てか、爆豪くんさっきから煽られすぎじゃないかな。
だから夜嵐くん、ずっと弟に話しかけてるのか。
夜嵐くんは子供たちの前に出ると、ばっ、と手を上げる。
彼の言葉に、何人かが反応する。
今のところちゃんと答えてくれてるけど、さて、どうなるかな。
確かにいい調子には見えるけど...。
大丈夫かな。
いい調子かと思われていたものが、この子供の次の言葉で見事に崩れ去った。
あ、終わった。
影響されやすいとか、そんな感じかな、夜嵐くんは。
あとは結構、人の言葉を信じやすそう。
わかんないけど。
いや、さすがにそれは...。
爆豪くんは弟の言葉を聞いてなにか反論するかと思ったが、珍しくなにも言わなかった。
大人しくそう言って、爆豪くんは顎で早く行けといわんばかりに示す。
珍しい。
そう思いながら、私は子供たちの方に向かっていく弟を見つめていた。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました！