第629話

No.623
12,969
2021/08/17 17:03
轟焦凍
ん、あなた、大丈夫か...?







覆いかぶさっていた身体を起こしながら、弟が問いかけてくる。







あなた
だい、じょぶ...。ねぇ、しょうと
轟焦凍
どうした?
あなた
掻き出して、ほしい...。中、出しちゃったんでしょ...
轟焦凍
!わ、悪ぃ...ほんとに悪ぃ、すぐに出してやるからな







そう言っておろおろし出す弟を見て、思わず笑いそうになる。





自分でやったくせになに焦ってるんだか。







あなた
...ん、っ
轟焦凍
体勢、つれぇだろ。首に手ぇ回してていいぞ
あなた
わ、わかった...っ







弟は私の中に指を挿れて、自分が出した精液を掻き出す。





もしものことがあったら怖いからね。





こうしとかないと。







轟焦凍
ほんとに悪ぃ、あなた。余裕なかった
あなた
...







確かに先程の弟には、余裕など感じられなかった。





いつもだったらもっと紳士的にしてくれるんだけど、今回はまるで別人のようだったんだ。







あなた
なんで、余裕なかったの...?
轟焦凍
...お前が可愛すぎて、やばかった







ぼっ、と火がついたように顔が熱くなる。





弟はそんな私を見て、少し笑った。







轟焦凍
ほら、その顔。すげぇ可愛い
あなた
も、もう...。変なこと言ってないではやくしてよ
轟焦凍
ああ







だんだん呂律がはっきりしてきて、普通に話せるようになる。





全く、すぐに可愛いとか言うんだから。







轟焦凍
ん、これくらいでいいと思うぞ
あなた
ありがと、







指を抜かれた衝撃で、思わず身体をびくつかせて弟にしがみつく。





弟は驚いたように私を抱きとめ、濡れた髪を撫でてくる。







轟焦凍
大丈夫か?
あなた
だ、大丈夫...







というか腰が痛い。





この痛みに関しては、たぶん慣れることないだろうなぁ。





そう思いながら、私は弟から身体を離す。







轟焦凍
そういえば、背中洗ってなかったよな。今洗ってやるから、座ってくれ
あなた







そう言われて、私は椅子に座り直して弟に背を向ける。





...普段の時と行為の時の差が激しすぎるんだよ、こいつは。





普段は甘えんぼなのに、行為の時になったら雄になるんだもの。





あと意地悪になる。







轟焦凍
痛くねぇか?
あなた
大丈夫だよ







でも行為が終わったとたんにこれだよ。





どうなってるんだろうね。





そんなことを考えていた、その時だ。







エンデヴァー
あなた、入浴中にすまない。ちょっと聞きたいことがあるんだが...







父の声が聞こえてきたのは。

プリ小説オーディオドラマ