えっと、波動先輩のクラスって...。
私はキョロキョロと辺りを見回しながら廊下を歩く。
いろんなクラスを覗いてみるけど、波動先輩らしき姿は見当たらない。
もう寮に帰っちゃったのかな。
そしたら、寮に行って聞いてこようかな。
別に明日聞いてもいいんだけど、早めに済ませておきたいし。
よし、そうしよう。
そう思った、その時だ。
背後から、そんな声が聞こえた。
振り返ると、波動先輩が私に向かって大きく手を振っているのが見えた。
がしっ、と手を握られたかと思うと、すごい勢いで振り回される。
波動先輩が?
理由になってないような...。
話が進まん...。
えーい、こうなったら聞いちゃえ!
相澤先生、もしかして言うのめんどくさがった?
みんなって、文化祭に来てる人たちのことだよね?
そんな大勢の前で、ひとりでパフォーマンスするの?
ハードすぎる...。
なんか申し訳ないんだけど...。
私は思わず声を上げた。
ドレス着てパフォーマンスするの!?
絶対動きにくいじゃん。
まあ、波動先輩だから安心だけど。
私、ちゃんとやれるかなぁ...。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。