第444話

No.441
7,175
2021/04/10 15:07
えっと、波動先輩のクラスって...。





私はキョロキョロと辺りを見回しながら廊下を歩く。





いろんなクラスを覗いてみるけど、波動先輩らしき姿は見当たらない。





もう寮に帰っちゃったのかな。





そしたら、寮に行って聞いてこようかな。





別に明日聞いてもいいんだけど、早めに済ませておきたいし。





よし、そうしよう。





そう思った、その時だ。







波動ねじれ
あれ?1年A組の轟さん!おーい!







背後から、そんな声が聞こえた。





振り返ると、波動先輩が私に向かって大きく手を振っているのが見えた。







波動ねじれ
なんでここにいるの?不思議ー!
あなた
あ、えっと、ミスコンのことで聞きたいことがあって...
波動ねじれ
あ、ミスコンエントリーしてくれたの!?嬉しい!







がしっ、と手を握られたかと思うと、すごい勢いで振り回される。







波動ねじれ
相澤先生から頼まれたでしょ?
あなた
え、なんで知ってるんですか?
波動ねじれ
あれねー!私が頼んだんだよ!







波動先輩が?







あなた
ど、どうしてですか?
波動ねじれ
相澤先生に聞いたら、A組は今回出場しない、って言ってたの!けどね、それじゃつまらないなー、って思って。だから、私が轟さんを出場させてくれないか、って推薦したの!







理由になってないような...。







波動ねじれ
轟さんを選んだ理由はね!すっごく綺麗だったから!
あなた
綺麗?
波動ねじれ
うん!ルックスと個性の相性が抜群だと思ったんだ!綺麗な白髪なのに、個性は炎!しかも白い炎まで出せるんでしょ!?すごいよね!
あなた
え、あ、ありがとうございます...







話が進まん...。





えーい、こうなったら聞いちゃえ!







あなた
あの、波動先輩
波動ねじれ
なあに?
あなた
ミスコンって、なにをすればいいんでしょうか...?
波動ねじれ
え?相澤先生からなにか言われなかった?
あなた
いえ、波動先輩に聞けばわかると言っていたので
波動ねじれ
そうなんだ!







相澤先生、もしかして言うのめんどくさがった?








波動ねじれ
ミスコンはね、みんなの前にあるステージに立って、ひとりでパフォーマンスをするの!パフォーマンスは自分で考えなきゃダメなんだよ!
あなた
パフォーマンス...?
波動ねじれ
そう!自分の個性を使ってアピールするの!







みんなって、文化祭に来てる人たちのことだよね?





そんな大勢の前で、ひとりでパフォーマンスするの?





ハードすぎる...。






波動ねじれ
衣装とかも自分たちで決めるの!まあ、普通はクラスメイトに協力してもらって似合うものを選ぶんだけどね。でもA組のみんなは知らないだろうから、今回は私たちが轟さんの衣装を選ぶことにしたんだ!
あなた
え、私の衣装を波動先輩が?
波動ねじれ
うん!相澤先生に頼まれたの!







なんか申し訳ないんだけど...。







波動ねじれ
勝ちたいからって変な衣装は選んだりしないから、安心していいよ。あなたにピッタリなドレス選んであげるからね!
あなた
ど、ドレス!?







私は思わず声を上げた。





ドレス着てパフォーマンスするの!?





絶対動きにくいじゃん。







波動ねじれ
大丈夫!ちゃんと考えて、轟さんにもいくつか着てもらって決めるから!
あなた
は、はあ...







まあ、波動先輩だから安心だけど。





私、ちゃんとやれるかなぁ...。

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