第327話

No.326
9,850
2021/01/10 05:07
轟焦凍
あなた、帰ろう
あなた
うん







無事に授業を終え、放課後。





荷物をまとめていると、弟がそう言って私の隣に立つ。







あなた
じゃ、行こっか
轟焦凍
おう







教室を出て、玄関に向かう。





寮に向かっている途中、弟が言った。







轟焦凍
なあ
あなた
ん?
轟焦凍
荷物置いて着替えてから、お前の部屋行っていいか?







ふと隣を見ると、弟は空を見上げていた。





おめでたい色の髪が、風でなびいている。







あなた
わかったよ







肯定すれば、弟は嬉しそうに目を輝かせた。





単純なやつ。











***









轟焦凍
荷物置いたら、部屋行くから
あなた
ん、りょーかい







寮に着いてから一旦別れ、部屋に戻って着替える。





今日は散々だったなぁ。





てか弟と爆豪くん、修羅場になりすぎじゃない?





あんまり問題起こしすぎると、いつか三者面談になりかねないよ。





弟の面談なんて、なにがなんでもお父さんが行くだろう。





え、ただでさえ弟のことになると過保護で面倒だから、









"なぜ俺に報告しない"





"お前に関係ねぇだろ"





"焦凍ォォォォ!!!"









って流れが安易に想像つくよやだやだウチが火の海になる...!!






こういうのは早急に手を打つが吉。





これ以上、あいつが問題起こさないといいんだけどなぁ。





もし弟が問題を起こしたら、「ドキドキ☆三者面談〜エンデパパ激おこ!ウチの最高傑作が何か?〜」が近日開催されるかもしれない。





なんとしてでもそれは避けたい。





そのためには弟に釘を刺す必要があるな。





でも問題はその方法をどうするかなんだよね、うーん。







轟焦凍
あなた、入るぞ
あなた
あ、うん。いいよ







なんて考えごとをしているうちに、弟が入ってくる。





弟は私を見ると、不思議そうに小首を傾げた。







轟焦凍
どうした?なんか難しい顔してるぞ
あなた
うん、ちょっとね...。
轟焦凍
なに考えてたんだ?







うーん、これは今話した方がいいものか。





ま、いっか。







あなた
あんたがこれ以上問題起こさないようにするにはどうしたらいいかな、って
轟焦凍
俺が?







弟は微妙な表情をする。





なんだその表情は。







轟焦凍
俺そんなに問題起こしてたか?
あなた
起こしたって言うより、起こしそうだから
轟焦凍
そうか?
あなた
そうだよ








弟は納得いかないような表情をする。







あなた
とにかく。三者面談になるのは絶対に勘弁だからね。問題起こされたら困るのは一緒だから
轟焦凍
わかった
あなた
ほんとに?
轟焦凍
おう。なるべく喧嘩もしないようにする
あなた
"なるべく"じゃなくて絶対なの







ほんとにわかってるんだかどうか...。





まあ、問題起こさないならなんでもいいや。

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