第452話

No.449
7,052
2021/04/11 13:15
麗日お茶子
歌は耳郎ちゃんじゃないの?
耳郎響香
ええ!?







お茶子ちゃんの言葉を聞いて、響香ちゃんは驚いたように声を上げる。







峰田実
ボーカルならオイラがやる!モテる!
青山優雅
ミラーボール兼ボーカルはそう!この僕!
切島鋭児郎
おう!楽器はできねーけど、歌なら自信あんぜ!







そう言った3人は順番に歌い出すが...正直、どれもイマイチだった。







あなた
私も響香ちゃんでいいと思うな。歌、すっごい上手だし
葉隠透
私もあなたちゃんやお茶子ちゃんたちと同じで、耳郎ちゃんだと思うんだよ!前に部屋で教えてくれた時、歌もすっごくカッコよかったんだから!
耳郎響香
ちょっと、ハードルあげないでよ。やりづら
葉隠透
いいからいいから!







私とお茶子ちゃんの言葉を便乗し、透ちゃんが響香ちゃんにそう言ってマイクを渡す。





でも響香ちゃん、ほんとに歌上手いんだよね。





いくら聞いてても飽きないと思ってる。







峰田実
オイラたちの魂の叫びをさしおいて...どんなモンだよコラ...?ええコラ!?
切島鋭児郎
耳郎の歌聴いてみてぇな!いっちょ頼むぜ!







そんなプレッシャーかけないの。





響香ちゃんはマイクを両手で握りしめると、私たちの前に立って歌い出した。





うん、やっぱり綺麗な声だ。





どこか儚くて、落ち着いていて、聞いていて心地いい。





彼女が歌い終わると、全員が歓声を上げた。





これはもう決定だね。







飯田天哉
満場一致で決定だ!!







飯田くんの言葉に、誰も反論はしない。





これでボーカルは決定だね。





と、







耳郎響香
あのさ。正直、ベースやりながら歌うって結構キツいんだよね。だから、できればでいいから、もう一人ボーカルがほしいんだけど...







響香ちゃんがそんなことを言い出した。





みんながそれを聞いて、顔を見合わせる。





だって、響香ちゃんと一緒に歌えるくらいの人なんて、いない気がするんだもの。





だったら、さっき言ってた3人のうちの誰かになるのかな。





と思っていたら、隣にいた弟がぼそりと呟いた。







轟焦凍
あなたがいいんじゃねえか?
あなた
え?







全員の視線がこちらを向くと同時に、私は声を上げる。







芦戸三奈
あなたって歌えるのー?
轟焦凍
ああ、すげぇ上手いぞ。俺がガキの頃とか、ちゃんと眠れるように子守唄とかよく歌ってくれてたんだ
あなた
ちょっ、焦凍...!
葉隠透
えー!聞きたい!







わいわいと騒ぎ始めるみんなを見て、私は焦り出す。





弟め、余計なことを...!

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