第259話

No.259
11,003
2020/12/13 03:46
芦戸三奈
ねーあなた!さっきの人、なんだった?
葉隠透
告白!?告白だった!?








学校から寮に帰って早々、二人に詰め寄られる。





この二人、恋バナ好きだからなぁ。







あなた
まあ、うん...。
芦戸三奈
やっぱり!!








少し間を開けて頷くと、三奈ちゃんは目を輝かせる。





透ちゃんも同じようにはしゃいでるけど、うん。





透明だからどんな表情してるのか、全くわかんないや。







峰田実
やっぱり告白じゃねえか!ちくしょう、双子揃ってモテモテかよぉ!!
上鳴電気
諦めろよ峰田。なんたって姫と轟だぜ?敵う相手じゃねえって








なにに悔しがってるのかわかんないけど、二人にとって私は関係ない相手だと思うんだよね。





そもそも私、モテないし。





弟ならわかるけど。







葉隠透
それで!OKしたの!?
芦戸三奈
あなた彼氏持ちになったの!?
あなた
ちょ、二人とも落ち着いて...








そこまで詳しく知りたがるものか?





二人の勢いにたじろいでいると、突然、誰かに腕を掴まれた。







轟焦凍
...
あなた
え、なに?








腕を掴んでいたのは弟。





無言で私を見つめたまま、なにも言わない。





なにがしたいんだこいつは。





そう思っていると、弟は私の腕を掴んだまま歩き出した。







あなた
え、どこいくの?
轟焦凍
...
あなた
ちょっと、聞いてる?








どれだけ話しかけても、弟は無視。





後ろでは、みんながぽかんと口を開けてかたまっている。





私はどうすることもできずに、弟にずるずると引きずられるようにして連れていかれる。





着いたのは弟の部屋。





いきなり自分の部屋に連れてきて、なんのつもりだこいつは。







あなた
ねぇ、急にどうしたの?
轟焦凍
...








弟は部屋に入るとドアを閉め、立ち止まる。





もう一度声をかけようとすると、急にこちらを向いた。







轟焦凍
...
あなた
え、なに








こちらを向いたかと思うと、弟は無言で私の背中に腕を回してきた。





なんだなんだ。







あなた
ほんとになに?どうしたの?








もう一度尋ねると、弟はぼそりと呟いた。







轟焦凍
...消毒
あなた
は?








消毒?







轟焦凍
あいつは汚ぇ手でお前のこと触った。だから消毒だ
あなた
あいつ、って...。さっきの男子のこと?
轟焦凍
うん








すんごい失礼なこと言うな、こいつ。





まあ、私にとっては全く知らない相手だし、気にする必要もないんだけどね。

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