第33話

No.33
26,341
2020/09/04 08:22
轟焦凍
危ねぇだろ、急に立ち上がって
あなた
ごめん...
轟焦凍
気にすんな








咄嗟なことに抵抗できず、私は湯船へと戻される。





なんでこんなことになったんだ...。







轟焦凍
体冷てぇぞ。まだ入ってろ
あなた
うん








なんかもう、いいや。





どうせ前も一緒に入ってたし?





大丈夫、だよね?







轟焦凍
俺があっためてやる
あなた
へ?








なにいってんの?





そう思っていると、弟は後ろから抱きしめてきた。





待て待て待て待て。





おかしくないかこの状況。





いや、肌触れてるし確かにあったかいけども。





これはさすがに双子でもダメでしょ。







あなた
ね、ちょっと。離れてよ
轟焦凍
離れたら逃げるだろ
あなた
う、
轟焦凍
図星じゃねえか








図星をさされて言葉が詰まる。





弟に背を向けて座ってしまったのが、運の尽きだ。





でも向き合って座るってのも、なんかなあ。





わかるよね?







あなた
ね、え。ちょっとくすぐったいからやめて
轟焦凍
んー








ふうっ、と首に息を吹きかけてくる弟。





まじでやめてほしい。





私が首弱いの知っててやってるんだよね、こいつ。







あなた
や、めてってば!
轟焦凍
相変わらず首弱いんだな








クスっ、と小さく笑いながら、弟は私の首に息を吹きかけ続ける。





この野郎、あとで見てなさいよ。







轟焦凍
確か、ここも弱かったよな
あなた
っ!やめてよバカ!








笑いを含んだ声で言いながら、弟は私の耳の後ろに息を吹きかける。





絶対楽しんでるなこいつ。





てかホントにくすぐったいから、まじでやめてくれよ。







あなた
み、耳は辞めっ!
轟焦凍
反応ウケるな、やっぱ。もっと見てぇ
あなた
見なくていいからっ!








変なスイッチ入った?





完全にドSじゃん。





息吹きかけんな!!





変な声とか出るからやめろや。







轟焦凍
こっち向けよ
あなた
絶対やだ
轟焦凍
...なら無理矢理振り向かせるからな
あなた
は?ちょっとなにやって、!








振り向くのを拒むと、弟は突然、私の腕を掴んだ。





そして、力づくで振り向かせられる。





握力ゴリラには敵わない。







轟焦凍
...
あなた
なによ
轟焦凍
いや、別に








無言のままの弟に問いかけても、別にと繰り返すばかり。





だけど、弟の視線は一点を見つめている。





その視線の先をたどっていくと、弟が見ていたのは...。







あなた
どこ見てんのよこの変態っ!!
轟焦凍
いってぇ








私は弟に一発、拳骨をかました。

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