第435話

No.432
7,624
2021/05/02 13:56
あなた
...







なんか言えや。





黙られると困るんだけど...。







あなた
...やっぱり、







似合わないよね。





そう言おうとした、その時だ。







上鳴電気
すっげぇ!めっちゃ可愛いじゃん!
切島鋭児郎
おう!しかもめっちゃ似合ってるしな!
飯田天哉
これは、メイド服...というものか
瀬呂範太
さすがは姫だな







男子たちがそう言って、私の周りに集まってきたのだ。





予想外の言葉に目をぱちくりさせていると、瀬呂くんが言った。







瀬呂範太
なあ姫、「お帰りなさいませご主人様」って言ってみてくんね?
あなた
え、やだ







私は速攻で否定する。





やだよそんなセリフ。





ガラじゃないもの。







砂藤力道
実際に女子がメイド服着てるとこなんて初めて見たな...
青山優雅
確かに轟さんは美しいけど、僕の輝きにはまだまd
尾白猿尾
轟さんって綺麗だから、なんでも着こなせちゃいそうだけどね







え、ちょ、なにその反応...。





なんか予想と全然違うんだけど。







峰田実
メイド服を着たことによってくっきり見える体のラインにくびれ、腰、細い足...そしてなにより立派なオッパ...
緑谷出久
み、峰田くん!後ろ後ろ!
峰田実
なんだよ緑谷!今いいとこ...







峰田くんの言葉が、途中で途切れた。





理由はひとつ、真後ろに弟が立っていたからである。





しかも、すごい怒ってる雰囲気が...。







轟焦凍
...なあ、峰田。お前、ほんとに1回火炙りにしてやろうか?







そう言うと弟は視線を合わせるようにして屈み、片手で峰田くんの頬を鷲掴む。





その手や腕には血管が浮かび上がっている。







峰田実
ヒィッ...
緑谷出久
と、轟くん待って待って!ストップ!







殺気を隠さない弟を見て、緑谷くんが大慌てで止めに入っている。





うわぁ、これまずいやつだ。







轟焦凍
邪魔すんな緑谷。こいつは1回頭冷やして炙ってやんねえとダメだ
緑谷出久
とりあえず今は君が頭を冷やさないとだよ轟くん!!
峰田実
やめてくれ轟ィイイイ!!!







怒筋マークを額にいくつも作る弟を宥めようとしているのか、緑谷くんが必死になって声をかけ続けている。





あれ、止めに入った方がいいかな。





ここ寮だし、個性使ったらまずいんだよね。







あなた
もう...







私は軽く息をついてから、弟たちの方に歩み寄る。





そして、







あなた
焦凍、やめてあげて








弟に声をかけた。

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