お次は上鳴くんの部屋。
ひと言で言うと、チャラい。
とにかくチャラかった、うん。
続いては口田くんの部屋。
部屋に入って真っ先に飛び込んできたもの。
それは、
真っ白でふわふわのウサギだった。
動物好きな口田くんらしいね。
私はウサギの前に座り、手をウサギの方に近づける。
ウサギはスンスンと私の手の匂いを嗅ぎ、ペロリと舐めた。
めちゃくちゃ可愛い。
後ろでは意外なことに、弟も近くに寄ってきていた。
癒されているような、どこかそんな表情をして、ウサギを見つめている。
口田くんは女子への好感度上げようとしてウサギ飼ってるんじゃないと思うんだけど。
なにがズルいのかわからん。
口田くんの部屋を出て次に向かおうとしたところで、先程見た部屋の持ち主たちが言い始める。
まあ、気持ちはわからなくもないかな。
峰田くんが言い終えたところで、雷が落ちた。
あれ?
今日天気悪かったっけ?
まあいいか。
え、いいの?
私嫌なんだけど。
男子に部屋見られたくないもんだよ、普通。
なんか、いろいろと面倒なことになってきてるような...。
さりげなくもたれかかってくるの辞めてもらっていいっすかね。
重い。
みんなに見つかる前に早く離れてくれよ。
うん、素直でよろしい。
次は1階上がって、4階の部屋。
あー。
なんか、爆豪くんはあんまりこういうの好きじゃなさそうだものね。
やっぱり眠いのは、みんなも一緒か。
テンション高いなぁ、あの二人は。
正直なところ、私も結構眠い。
そう言いながら、切島くんは自室のドアを開けた。
切島くんは漢らしくガッツポーズ。
部屋の中は...うん、暑苦しい。
切島くんらしさがよく出てるわ。
泣くな、切島くんよ。
君らしさはよく出てるんだから。
私は個性的でいいと思うよ、うん。
お次は障子くんの部屋。
面白いものはない、って言ってたけど、それどころか...。
ほぼなにもなかった。
あるのは、机と布団だけ。
と、
峰田くんが、勝手に障子くんの布団を探り出した。
障子くんは峰田くんと違うから、ドスケベなんてことは絶対ないと思う。
あとちょっとで終わるかな。
早く寝たい。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!