第438話

No.435
7,611
2021/04/10 09:07
あなた
てかさ、なんでさっきあんなに怒ってたの
轟焦凍
峰田が変な想像してっからだ
あなた
それいつものことじゃん。他の女子のこと言ってる時は怒らないのに
轟焦凍
それも確かにダメなことだけど、あなたの体のことは俺だけが知ってればいい
あなた
変態ですか?







なんなんだよいったい。







あなた
私部屋戻って着替えてくるから
轟焦凍
ダメだ
あなた
なんで
轟焦凍
まだこのままでいろよ







いや恥ずかしいからさっさと着替えたいんだけど。





こんなクラシカルなメイド服、ハロウィンじゃあるまいし...。







あなた
...ガラじゃないのに、こんなの
轟焦凍
そんなことねえ、似合ってる







思わず呟いた言葉を、弟が拾う。





だいたい、こういうメイド服はもっと可愛い子じゃないと似合わないんだよ。





私なんか別に、可愛くともなんともないのに。







轟焦凍
俺にとってはお前が一番可愛いんだぞ
あなた
轟焦凍
他の奴らが思ってなくたって、俺がそう思ってる。それじゃダメなのか?







心読まれてる...。





私は少しぽかんとしたあと、首を振る。







あなた
...ダメじゃない
轟焦凍







そう言うと、弟は満足そうに笑った。







轟焦凍
なああなた
あなた
なに?
轟焦凍
抱きてえのは山々なんだが、今回は我慢する
あなた
う、うん







そもそも抱かれる気ないけど。







轟焦凍
だから
あなた
うん
轟焦凍
これつけてみてくれねえか?







そう言って取り出したのは、猫耳カチューシャ。







あなた
どこから持ってきたのそれ
轟焦凍
さっき八百万に作ってもらった。あなたに被せる、って言ったらすげぇ喜んでたぞ







ヤオモモちゃん...喜ばないでくれ。







あなた
やだよ。被らない
轟焦凍
なんでだ
あなた
なんででもだよ







ただでさえ恥ずかしいのに、こんなの被れないよ。





でもこいつのことだから、無理にでも被らせてくるだろうし。





そんなの私にとってはデメリットしかないじゃん。





メリットになる方法ないかなぁ...。





...あ、そうだ。







あなた
じゃあまずは焦凍が被ってよ
轟焦凍
俺がか?
あなた
うん
轟焦凍
別に構わねぇけど、あなたも被れよ?
あなた
わかったよ







よし、なんとか上手くいった。





これなら私にとってもメリットあるし、五分五分だよね。







轟焦凍
どうだ?







弟が猫耳カチューシャを被って、顔を上げてこちらを見つめる。





それを見た私は、即スマホを構えた。

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