第45話

No.45
22,435
2020/09/08 13:05
あなた
黒のスキニーとか着てみたら?
轟焦凍
すきにー...?








カタコトになってんぞ。







あなた
あんた、結構美脚なんだからさ。スキニーとか着たら似合うと思うんだよね
轟焦凍
よくわかんねえけど、着てみる








手に持っていた黒のスキニーを弟に渡し、私はまた違う服を眺める。





ジーパンもいいんだけど、この季節だと短パンも必要だよね。





あとは、Tシャツだったら白とか?





うーん、迷うな。







轟焦凍
そんなに迷うことか?
あなた
迷うよ。デザインとか大事だもん






派手なものは好まない。





やっぱシンプルなのが一番だよね。







あなた
じゃあ、そのスキニーとこれとこれ。ちょっと試着してみて
轟焦凍
おう








私が選んだのは、黒のスキニーと白のTシャツ。





それから、紺色の短パン。





サイズは合ってるはずだし、色合いも大丈夫だと思うんだけど。







轟焦凍
これでいいのか?








シャッ、と試着室のカーテンを開けて、弟がひょこっと顔を覗かせる。





まず試着したのは、黒のスキニー。







あなた
あんたって、こんなに細かったっけ?
轟焦凍
わかんねえけど、一応鍛えてるぞ
あなた
いや、腹筋見せようとしなくていいから








モデルか、って思うくらいに、弟のスキニー姿は驚くほど似合っていた。





足も細いし、なんかムカつくな。







轟焦凍
似合うか?
あなた
思ってたより足細いんだねびっくりだよだけど正直言うとなんかムカつくんだよねどうしよう
轟焦凍
機関銃攻撃みたいになってるぞ








おっといけない。





本音がダダ漏れになっちゃったよ。







あなた
ほら、さっさとこの二着も試着して。
轟焦凍
おう








残りの短パンとTシャツを試着した弟を見てみたけれど。





ムカつくほど似合っていた。





いいよなぁ、イケメンは。





なんでも似合うんだからさ。







あなた
じゃ、あんたの服はこんなもんでいいかな。私の服も少し見ていい?
轟焦凍
おう








弟の服と猫耳パーカーを買い物カゴに入れ、私は自分の好みの服を探す。





私も夏物欲しいんだよね。





ちょっと思い切って、ミニスカートとかもいいかもしれない。







轟焦凍
あなた
あなた
ん?








好みの服を探していると、弟に呼ばれる。







轟焦凍
さっきあなたが俺の服選んでくれたから、今度は俺があなたの服選びてぇ








私は思わず目をぱちくり。





弟が?選ぶ?私の服を?







あなた
わかるの?私の好み
轟焦凍
大体はわかるぞ
あなた
んー...じゃあ、選んでくれる?
轟焦凍
任せろ








なんとなくでお願いしちゃったけど。





大丈夫かなあ。

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