第404話

No.402
8,157
2021/06/05 02:33
あなた
あぁ〜疲れた







そう言いながら、私は布団に向かってダイブする。







轟焦凍
お疲れ様だな、あなた







弟はそう言って、私の隣にとことこと歩いてくる。





あれから1時間程、私は女子たちから爆豪くんについてどう思うかをずっと聞かれていたんだ。





質問に応えるのはいいんだけど、さすがに疲れた。







轟焦凍
なんであんなに女子に囲まれてたんだ?
あなた
爆豪くんについていろいろ質問攻めにあったの
轟焦凍
爆豪?







私は頷いた。







あなた
なんか、最近爆豪くんと私の仲が良い、って思われてたみたい。それで、あんなに質問攻めに...







そこまで言ってから、気がついた。





弟の表情が、明らかに不満げになっていることに。







轟焦凍
なんだそれ
あなた
轟焦凍
お前は、俺のだろ
あなた
ちょ、なに







仰向けに寝転がっている私に覆い被さるようにして、弟は体勢を変える。







あなた
ちょっと、退いてよ
轟焦凍
退かねえ
あなた
...近いよ
轟焦凍
別にいいだろ。お前は俺んだ
あなた







そう言ったかと思うと、弟は突然、私の首元に顔を埋めた。





それからちゅ、とわざとらしいリップ音をたてて喉にキスを落とし、離れる。







あなた
き、急になにするの
轟焦凍
...喉にキスした意味、わかってるか?
あなた
意味?わからない、けど
轟焦凍
...







私の言葉を聞いて、弟は無言になる。





と、覆い被さっていた体勢をやめ、体を起こした。





かと思っていたら、







轟焦凍
...
あなた
っ、!?







今度は腰にキスをしてきた。





こ、腰にキス!?





なに、どういう意味なのさ。





意味がわからずに目を白黒させている私を見て、弟は不敵に笑う。







轟焦凍
最後は、やっぱここだな







弟はそう言って、私の唇に人差し指で触れる。





そして私が止める間もないまま、唇を合わせられた。





舌を入れてくるかと一瞬身構えたが、そんなことはなく、ただ触れるだけだ。





するだけして、弟は私から離れる。







轟焦凍
じゃあ俺、着替えとか荷物とか持ってくるから
あなた
え、なんで?
轟焦凍
今日はここに泊まる
あなた
いや自分の部屋あるじゃん
轟焦凍
ダメか?
あなた
...わかったよ







また弟の思うツボだ。





弟は満足そうに口角を上げると、部屋のドアノブに手をかける。





それから、こちらの方を振り返って口を開いた。







轟焦凍
キスした場所の意味、調べてみろよ







それだけ言うと、弟は部屋を出ていった。





さっきキスした場所の意味...?





確か、喉と腰だったよね。





私は自分のスマホで、弟がキスをしてきた場所の意味を調べる。







あなた
...!







その場所の意味を知った瞬間、私は差恥から、ひとりで顔を赤らめた。

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