第317話

No.316
9,616
2021/01/06 16:08
上鳴電気
ひょえ〜!さっすが緑谷と轟だな







上鳴くんが関心したように声を上げる。





まあ、無理もないよ。





確かにすごいもの。







緑谷出久
ミッドナイト!終わりました!
ミッドナイト
うん、オッケーよ!







緑谷くんがあまりにも元気な声で言うもんだから、私は思わず小さく笑った。





なんか無邪気な子供みたいで、可愛いって思っちゃったんだよね。





あ、男子に可愛いは禁句か。







ミッドナイト
じゃあ次!轟あなた&爆豪勝己ペア!準備して
あなた
あ、はい







てか、もう私たちの番なんだね。





早いなぁ。







爆豪勝己
ちんたらしてっと置いてくぞ
あなた
今行くよ







ぺたぺたと足音を鳴らしながら歩いていく爆豪くんの背中を、慌てて追いかける。





説明内容はかなりざっくりしてたから、正直詳しいことはよくわからなかったんだよね。





さて、結局なにをすればいいのやら。







ミッドナイト
じゃ、二人の訓練を始めるわね。まずはプールに入って






言われるがままに、私と爆豪くんはプールに入る。





この季節にプールは冷たいかな、って思ってたけど、それほどでもなかった。







ミッドナイト
詳しく説明すると、このプールのどこかに市民がひとり、沈められている。その市民を二人で協力して探し、このプールサイドまで引き上げてくる。ね、簡単でしょ?







確かに簡単そうだった。





でもこのヒーロー基礎学の救助訓練が、ここまで簡単に終わってもいいものなのだろうか。





実際に水難事故にあったらどう助けるか、っていう目的はあるのかもしれないけれど、実はもっと別に目的があるんじゃないのかな。







爆豪勝己
そのクソ市民を見つけて連れてくりゃいいんだな?
ミッドナイト
ええ。ただし、今回はプールにいくつか仕掛けをさせてもらったわ。それに十分気をつけて市民を探すことね
あなた
仕掛け、ですか?







プールに仕掛け?





みんなのを見学してる時は仕掛けに引っかかっていることなんてなかったと思うんだけど。







あなた
具体的にどのような仕掛けなんですか?
ミッドナイト
それはお楽しみよ。今教えちゃったら、仕掛けた意味が無くなっちゃうでしょう?







それもそっか。





でも、気になるなぁ。







芦戸三奈
あなた〜!仕掛け結構きついから気をつけないとだよ〜!







少し離れたところから三奈ちゃんの声が聞こえ、私はプールを見回した。





きつい、ってことは、仕掛けにかかったってことだよね?





みんなの見てたのに、全然わからなかった...。





でも、とりあえず救助が先だ。





周りに気をつけながら探していかないとね。

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