第636話

No.630
7,009
2021/08/21 12:26
轟焦凍
はっ、とろっとろだな...







弟は私を見つめると、そう言って不敵に笑う。







あなた
っ、誰の、せいだと...
轟焦凍
お前が悪いんだからな







ぐいっ、と口元を拭いながら口を開くと、弟はそう言って顔を近づけてくる。







轟焦凍
これはお仕置だ
あなた
お、お仕置?
轟焦凍
ああ。お前が親父に俺のアカウント教えた罰だ







さっきは怒ってない、って言ってたじゃん。







あなた
...
轟焦凍
ムクれるなよ。これでお互い様だろ
あなた
納得いかない...







だってあんたもお父さんも自分にとって得することがあったのに、私だけなにもないじゃん。





そう思いながらムクれていると、弟が口元に甘い笑みを浮かべて、私の耳元で囁いてきた。







轟焦凍
気に食わねえんなら、もっかい深いやつして足腰立てなくなるようにしてやろうか?
あなた
!!な、っ







ぶわっ、と顔中に熱が集まっていくのがわかる。





弟は意地悪そうにクスクス笑うと、私の耳朶をぺろりと舐める。







轟焦凍
可愛い
あなた
っ、ここ、どこだと思って...っ
轟焦凍
教室、だな。でも今は、誰もいねえ
あなた
ひゃ...っ、ぅ







いつの間にか壁に押し付けられ、お互いに身体を密着させる形になっていた。





誰もいないから、って、教室でこんなこと...。







あなた
みつかっ、たら...だめぇ、なの...っ、に
轟焦凍
ああ、そうだな。なら、リカバリーガールにでも頼んで、保健室でも行くか?







な、なに言ってんだよこいつ。





誰もいない教室に、微かな水音と、私と弟の声だけが響く。





こんなとこでこんなことしたら、ダメなのに。







轟焦凍
屋上でもいいな。それかトイレか...。なあ、あなたはどこがいい?
あなた
ぜ、んぶ、やだ...っ
轟焦凍
全部か。欲張りだな
あなた
ち、ちがぁ...っ!







ほんとに、意地悪だ。





お父さんのせいだ。





...理不尽だけど。







あなた
ね、ぇ...みんな来ちゃう、からぁ...っ
轟焦凍
じゃあ声、我慢しような
あなた
やっ、も、無理ぃ...っ!







弟はクスクスと笑いながら、私の耳朶を舐めてくる。





足が震えて腰が砕けそうになるが、なんとか壁に手をついてこらえる。





そのせいで、声を出さないようにしていた手が離れてしまう。







あなた
ふ、っ、やぁ...っ
轟焦凍
ふ、可愛い







と、その時だった。





教室のドアが、音をたてて開いた。

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