第316話

No.315
9,834
2021/01/06 13:04
ミッドナイト
緑谷くんと轟くん。次は貴方たちだから、プールサイドで準備して
緑谷出久
あ、はい!じゃあ轟さん、行ってくるね
あなた
行ってらっしゃい、緑谷くん







ミッドナイト先生に呼ばれ、緑谷くんはプールサイドへと向かっていく。





あれ?





ところで弟はどこに...?







轟焦凍
あなた
あなた
うわっ!







ぽん、と急に肩を叩かれた上に耳元で名前を呼ばれ、思わず飛び上がった。







あなた
急にやめてよ。びっくりした...
轟焦凍
悪ぃ
あなた
行かなくていいの?次でしょ?
轟焦凍
ああ







なんで行かないのさ。





意図が掴めず、私は弟を見つめる。





弟はしばらく俯いて黙っていたかと思うと、顔を上げて私を見つめた。







轟焦凍
俺にも行ってらっしゃい、って言ってくれねぇか?
あなた
へぁ?







思わず間抜けな声が出てしまい、慌てて手で口元を押さえる。





だけど弟はそんなこと気にしていないようで、真剣にこちらを見つめている。







あなた
なんで急に...?
轟焦凍
緑谷だけずりぃ
あなた
えぇ...







夏休みにプール来た時も、似たようなこと言われた気がするんだけど。







あなた
じゃ、行ってらっしゃい、焦凍
轟焦凍
おお。行ってくる







結構棒読みだと思ったんだけど、よかったのかな。





嬉しそうに頷いて緑谷くんの方へと歩いていく弟を見送りながら、ぽやんと考える。





ま、いっか。







爆豪勝己
おい







突然ぐいっ、と腕を引っ張られる。





見れば、いつの間にか近くに来ていたらしい、爆豪くんが私の腕を掴んでいた。







爆豪勝己
行くぞ
あなた
どこに?
爆豪勝己
見学に決まってんだろーが







とそこへ、切島くんと上鳴くん、瀬呂くんの三人が爆豪くんの方へと歩いてきた。







上鳴電気
なんだよかっちゃん。やけに積極的じゃ〜ん?
瀬呂範太
めっずらし〜







にやにやと意味ありげな笑みを向けてくる二人に対し、切島くんはきょとん顔。







爆豪勝己
るっせぇ!!てめぇらには関係ねぇだろーが!!
上鳴電気
いっだだだだ!!ギブ!ギブ!







上鳴くんの顔をぎゅううっ、と掴んで締めつける爆豪くん。





私と切島くんが慌てて止めに入り、瀬呂くんはやれやれといわんばかりに苦笑している。





まったく、すぐに煽るようなこと言うんだから。







瀬呂範太
なあ姫。俺らも一緒に見学していーい?
あなた
え、うん。別に構わないけど
瀬呂範太
やった







一緒に見学するのはいいんだけどさ、瀬呂くん。





なんか企んでる顔してるよ。

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