第35話

No.35
25,201
2020/09/05 06:33
轟焦凍
あなたは
あなた
ん?
轟焦凍
あなたは、寂しい時あるのか?
あなた
あるよ








私が寂しいと思う時、か。





やっぱり、







あなた
焦凍がいない時、かな








そう言うと、弟は驚いたように少し目を見開いた。





だけどそれは一瞬で、すぐに嬉しそうに口元を緩めた。







轟焦凍
俺も、あなたが居ねぇと寂しい
あなた
うん








寂しいと思うのは、ずっと一緒にいたから?





お互いに相手を求めているから?





それとも、双子だから?







轟焦凍
でも、あなただけじゃねえ








いつの間にか、弟は私から離れていて。





凛とした瞳で私を見つめていた。







轟焦凍
他のみんなも一緒だ。緑谷も、爆豪も。飯田や切島、麗日や八百万。一人でも欠けてると、俺は寂しい








ああ。





いつの間にか、そんなことを考えるようになったんだね。





雄英に入学した当初は、周りなんてどうでもいいって感じでいたのに。





周りのみんなに、無関心だったのに。







あなた
そうだね、私も同じだよ








あんたがそう考えるようになったのは、





みんなのおかげかな。





みんながあんたを変えてくれたんだね。







轟焦凍
でもあなたは誰にも渡さねぇ
あなた
なに言ってんの








せっかくいいこと言ってたのに、台無しになっちゃったじゃん。







轟焦凍
あなたは俺んだ。
あなた
いつからあんたのものになったんだ私は
轟焦凍
生まれた時から
あなた
アホ








ぐりぐりと頭を私の肩に押し付けてくる弟。





まだ髪乾いてないのにそんなことされたら、寝間着が濡れちゃうでしょーが。







あなた
ほら、明日出かけるんでしょ。今日は早く寝るよ
轟焦凍
まだやだ
あなた
なんで
轟焦凍
あなたに構ってもらってねえ
あなた
今構ってんじゃん








ホントに学校と家での態度が違うんだよね。





二重人格なの?





と、







あなた
こら、噛み付くな
轟焦凍
甘噛みだからいいだろ
あなた
全然良くない








弟が突然、私の首筋を甘噛みしてきた。





髪当たるし、なんかこそばゆいからやめてくれよ。





まずどこから覚えてきたんだ、それ。





私はそんなこと、教えた覚えないぞ。







あなた
ちょ、やっ、やめてよ
轟焦凍
じゃあ一緒に寝てくれ
あなた
わかったわかった、わかったから!








渋々承諾すると、弟は私から離れる。





そしてあたかもなにもなかったかのように、お茶を一口すする。





甘えるの限度を超えている気がするのは、私だけ?

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