第278話

No.278
10,826
2020/12/23 09:43
あなた
最悪...








思わず呟く。





次の日の朝、起きた瞬間に物凄い倦怠感が身体を襲った。





まさかと思って熱を測ると、思っていた通り熱があったのだ。





もう細かい数字は忘れたけど、38℃は優に超えていたはず。







あなた
...








今日は間違いなく学校には行けないだろう。





ひとまず相澤先生に、風邪を引いたので学校を休むと連絡を入れ、もう一度布団に寝転がる。





この大事な時に風邪を引くのは、いくらなんでもキツすぎる。





仮免でも遅れてるぶん、それを取り戻さなくちゃいけないのに。







あなた
さむ、っ...








風邪を引いたせいか、とにかく寒い。





布団を頭まで被っても寒いのは変わらない。





昔から私は、風邪を引きやすい体質だった。





雄英に入ってからは体調が悪くなることは滅多になかったし、もう大丈夫かなって思っていたんだけど。





現在進行形でこの状態だ。







あなた
...








私は風邪を引くと、ほとんどの確率で症状が重くなる。





咳は止まらなくなるし、呼吸だってしづらくなる。





風邪を引くのは初めてじゃないけど、これが結構キツいんだよね。





しかもなんか、すっごく寂しくなるというか...。





情けないや。







轟焦凍
あなた、起きてるか?入るぞ
あなた
!だ、ダメっ!今はダメ!








急に聞こえた弟の声に、私は焦る。





いきなり部屋に押しかけてくんなよ。





てか、異性の部屋になんの躊躇いもなく入ってくるこいつ、っていったい...。





ダメだ、考えるのはやめよう。







轟焦凍
学校行かねぇのか?
あなた
行かないんじゃない。行けないの
轟焦凍
風邪か、
あなた
そうだよ。わかったら早く出てって








弟に風邪が移ってしまったらたまったもんじゃない。





てかもうそろそろ学校行かなきゃ間に合わないでしょ、早く出てってよ。





そんなことを思いながら見つめていると、弟は鞄を畳に置いて、寝転がっている私の横に座った。









あなた
なにしてるの。学校遅れるよ
轟焦凍
...
あなた
ちょっと聞いてる?








弟は私の横に座ったまま、なにかを考えている様子だ。





もう一度声をかけようとすると、弟はおもむろにスマホを取り出した。





そして、誰かに電話をかける。







轟焦凍
もしもし、相澤先生ですか?...あ、はい、そうです








そのまま弟は相澤先生となにかを喋っていたが、私はその内容をよく聞き取れなかった。





熱で頭がぼーっ、とする。





それのせいで、よく聞こえなくなっていたんだ。







轟焦凍
あなた、今日は俺学校休むぞ
あなた
...は?
轟焦凍
お前の看病してやれ、って相澤先生が








それ相澤先生が言ったんじゃなくてさ。





絶対自分で言ったんでしょ。

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