次の日。
いつも通り起きて弟を起こし、着替えて共有スペースに行って朝ごはんを食べる。
食後の歯磨きなどの身支度を整えて、足早に寮を出て学校に向かう。
もちろん、隣にはぴったりついてきている弟。
教室に行くと、中にいたのは数人。
まあ、私たちが出る前に起きていなかった人もいるものね。
教室に入った瞬間に、飯田くんが私たちのところへと歩いてくる。
さすが。
私は自分の席に行って、鞄から筆記用具やノートを取り出す。
あ、そうだ。
自身の席で自習しているヤオモモちゃんに声をかけると、彼女はすぐに顔を上げて不思議そうな表情をする。
ノートを受け取り、お礼を言って席に戻ろうとする。
と、
ヤオモモちゃんがまたもや不思議そうな表情で問いかけてきた。
口元に手を当てて驚いた様子を見せる彼女は、なんとも上品に見える。
その声に振り向くと、三奈ちゃんが爆豪くんを指さして不思議そうに問いかけているところだった。
上鳴くんの言葉を聞いて、女子たちは一斉に私と弟の方へと目を向ける。
そしてすぐに、驚いたように声を上げた。
えっらい大袈裟な反応するね。
爆豪くん荒れてるなぁ。
まあ、これはいつも通りか。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。