第69話

No.69
19,966
2020/09/20 13:27
相澤消太
マンダレイ。あの人、あんなでしたっけ?
マンダレイ
彼女焦ってるの。適齢期的なアレで








どんだけ唾つけとんだこの人。





相澤先生とマンダレイの会話を聞きながら、私は唾をつけまくっているピクシーボブを見る。







緑谷出久
あ、適齢期といえばあの...!








そう言った緑谷くんの頭を、ピクシーボブが再び掴んだ。





これ、さっきと同じじゃん。







ピクシーボブ
といえば、って?
緑谷出久
ず、ずっと気になってたんですが、その子はどなたのお子さんですか?








ピクシーボブに凄まれ、緑谷くんは慌てて誤魔化すように言った。





緑谷くんが指さした先には、小さな男の子の姿。





そういえば、森に入る前から居たよね。





プッシーキャッツの二人と一緒にいるのは見たけど、確かに誰の子だろ。







マンダレイ
あぁ、違う。この子は私のいとこの子供だよ。洸汰、ほら挨拶しな。一週間一緒に過ごすんだから








男の子、洸汰くんは私たちをじっ、と見つめたまま、動かない。





あの目からして、私たちと仲良くするつもりはないように見えた。







緑谷出久
あぁ、えっと僕、雄英高校ヒーロー科の緑谷。よろしくね








ピクシーボブから解放された緑谷くんが、洸汰くんに近づいて手を差し出す。





が、







洸汰
ふんっ!








洸汰くんはその手を握り返すことなく、緑谷くんの大事なところを容赦なく殴った。





うわ、っ...。





見ていた私たち、特に男子は、顔をこわばらせた。





いや、さすがに女子でもわかるよ。





絶対に痛い。





緑谷くんは殴られたところを押さえ、真っ白になってしまった。







麗日お茶子
で、デクくん...








お茶子ちゃんは口元を押さえて、どこか哀れむような表情をしている。







轟焦凍
絶てぇ潰れたな、あれは
あなた
真顔でなに言ってんだ、あんたは
轟焦凍








そんなこと言わんでいいんだよ。





てか、その顔でそんなこと言わないでくれ。







飯田天哉
緑谷くん!!








大事なところを押さえて倒れ込む緑谷くんを、飯田くんが慌てて支えた。







飯田天哉
おのれ従甥!なぜ緑谷くんの陰嚢を!!?








さすがは飯田くん。





どこかの誰かさんみたいに、下品な言葉は使わないんだね。





って、そんな場合じゃない。





そう言った飯田くんを、洸汰くんは睨むようにして見る。

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