第475話

No.472
7,189
2021/05/01 12:01
轟焦凍
最近、波動先輩とよく一緒にいるよな







放課後の寮でソファーに座ってくつろいでいると、弟が突然そう言ってきた。







あなた
まあね
轟焦凍
そんなに親しい関係だったか?
あなた
いや、そういうわけじゃないけど







ミスコンのことは言えないからなぁ。





弟は私の隣に腰を下ろすと、じっ、とこちらを見つめてくる。







あなた
な、なに...
轟焦凍
いや、別に
あなた
じゃああんまり見ないでよ
轟焦凍
なんでだ?
あなた
いや、その...なんか照れるから







隠すのもめんどくさくて、私は率直に思ったことを口にする。





が、そう言った瞬間、なぜか弟は私を抱きしめた。







あなた
ちょっ、なに、どうしたのさ
轟焦凍
やっぱお前可愛いな
あなた
!や、やめてよこんなところで...
轟焦凍
お前が可愛いのが悪い







言い訳になってないじゃん。





てか、共有スペースでこんなことしてたら...、







峰田実
うおい轟ィイイイイ!!なにしてんだァアア!!







ほらきた。







あなた
ね、焦凍。ここじゃみんなに見られちゃうから...
轟焦凍
俺は構わねえ
あなた
私は嫌なんだってば







峰田くんがギャアギャアと騒ぎ出したせいで、みんながこちらに集まってくる。





ああもう...。





また黒歴史になるよこれ。







上鳴電気
うおっ!轟がまたやってる!
切島鋭児郎
姫のこと大好きだもんな!
芦戸三奈
もうカップルでよくない!?







頼むから変なこと言わないでくれ。





ただでさえ恥ずかしいんだから。







轟焦凍
ああ、俺はあなたのこと大好きだ
あなた
!ば、バカ!







追い討ちをかけるようにして、弟は爆弾発言をする。





周りのみんなが黄色い声を上げる中で、私は顔を真っ赤にして弟の胸板を押して離れようとする。







あなた
いい加減に離れてよ
轟焦凍
...なら、
あなた







弟は私にしか聞こえないような小声で、囁く。







轟焦凍
今から俺の部屋...な?
あなた







からかうような笑いを含んだ、甘くて低いテノールボイス。





いつもとは違う、大人っぽい声が鼓膜まで響き、私はさらに頬を赤く染める。







瀬呂範太
轟のやつ、今なんて言ったんだろうな
蛙吹梅雨
珍しくあなたちゃんの顔が真っ赤になってるわ
麗日お茶子
気になるね...







みんなはそう言うけどさ。





こんな会話、絶対聞かせられないよ...。







緑谷出久
轟さんがあんなに顔を真っ赤にしてる、ってことは、轟くんは轟さんが恥ずかしくなるようなことか嬉しいかはたまたそのどちらかのことを言ったことに違いない。あーでも轟さんが怒りながら顔を真っ赤にしてる、ってことは恥ずかしくなるようなことを言ったのかな。いやでも轟さんはかっちゃんみたくツンデレ要素が高いから怒りつつ照れてる、ってことも...
爆豪勝己
うっせぇわクソナード!!







緑谷くん、私の表情から心境を分析しないでくれ...。

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