第540話

No.536
6,476
2021/06/27 14:34
あなた
相澤先生
相澤消太
なんだ
あなた
これはどういうことですか







現在、仮眠室。





今日のヒーロー基礎学についての話があるから来てくれと言われ、昼食後に来ていたんだけど...。







相澤消太
どういうこともなにも、この通りだが?
あなた
他になかったんですか?これじゃなくて
相澤消太
なかったんだ







私はジト目で相澤先生を見つめる。





が、相澤先生はどこか満足そうだ。





こんな目で先生を見つめる理由はひとつ、それは...。







あなた
だからって、こんな猫耳パーカー着せる必要ないじゃないですか







そう。





なぜか私は、猫耳パーカーを着せられているのだ。





なんでこんなもの持ってるんだよ、相澤先生。







相澤消太
それしかなかったんだ。仕方ないだろ
あなた
けど、これで救助訓練って...
相澤消太
コスチュームも体操服も着れないから、それしかなかったんだよ。制服でやるわけにもいかないしな







まあ、確かにそうだけど。





というか、







あなた
先生、なんでこんなの持ってるんですか
相澤消太
ああ、壊理ちゃんに着せようと思ってな
あなた
え、壊理ちゃんに?







私は猫耳パーカーを着た壊理ちゃんを想像してみる。





...絶対可愛い、天使だ。







あなた
でも私に着せる必要は...
相澤消太
問題ない。似合ってるぞ
あなた
あんまり嬉しくないです







上は黒色の猫耳パーカー、下は同じく黒色のズボン。





が、ズボンにもなぜか猫のしっぽがついている。





着せるなら私じゃなくて壊理ちゃんにしてよ。





私に着せないでくれ。







相澤消太
まあ、悪いがそれで我慢してくれ。みんなも納得するだろう
あなた
ははは...まあ、そうでしょうね







またもみくちゃにされる未来が見えるよ。







相澤消太
呼び出して悪かったな。戻っていいぞ
あなた
え、これ着たままですか?
相澤消太
ああ、ヒーロー基礎学は次の時間だろう?そのままでいた方が時間短縮できるし、合理的だ







果たして合理的なのか、これは...。







あなた
わ、わかりました...。失礼します
相澤消太
おう







ぺこりと頭を下げてから、私は仮眠室を出る。





それにしても、なんで猫耳パーカーなんか...。





そもそも救助者って、こんなの着てていいのかな。





言っちゃ悪いけど、この服、完全に相澤先生の趣味全開なんだよね。





そういえばあの人、猫好きだからなぁ。





なんて思いながら歩いていると、







あなた
わぷっ、
???
うわ、っ







誰かに思いっきりぶつかった。





声からして、たぶん男子だ。





体格差も相まってか、私は盛大に尻もちをつく。







???
だ、大丈夫か...?
あなた
〜〜!だ、大丈夫です...
???
悪かった、見えてなくて...
あなた
い、いえ!私こそ...







ぶつかってすみませんでした、と。





そう言おうと顔を上げて相手を見た瞬間、私はぽかんと口を開けてかたまった。





相手も同様だ。







あなた
し、心操くん!?
心操人使
あんた、A組の...







ぶつかった相手は、普通科の心操くんだった。





私たちはお互いに相手を見つめ、呆然。





てか、この姿見られた...。





最悪だ...。

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