第340話

No.338
9,014
2021/01/16 05:04
轟焦凍
"膨冷熱波"
あなた
"膨冷熱波"







私たちの声とともに、炎と氷結が混ざり合い、大規模な爆音が轟く。





これ何回もやってると、体育館壊れちゃうかも。







あなた
轟焦凍







ずっとそれをやっていたせいか、若干体が傾いた。





思わず声を上げると、弟も気がついたように声を上げ、私の体を受け止める。







轟焦凍
どうした、大丈夫か?
あなた
うん、平気。ちょっとやりすぎただけみたいだから
轟焦凍
なら、ちょっと休憩するか
あなた
そうだね







相澤先生にひと言言って、私と弟はみんなから少し離れた場所に座る。





最近すぐにキャパオーバーしかけるから、なんとかしないとなぁ。





とにかく体力をもっとつけよう、んで、炎の威力も今以上に上げるんだ。





白炎は出せたから、次の目標は燈矢兄さんみたいな蒼炎だね。







特田さん
ちょっといいかな







隅っこで休憩していると、突然声をかけられて顔を上げる。





見れば、特田さんが私たちを見つめていた。





どうしたんだろ。







轟焦凍
なんですか?







弟が尋ねると、特田さんは笑いながら答える。







特田さん
君たちに少し、質問させてもらってもいいかい?ああ、嫌だったら答えなくてもいいんだ
轟焦凍
別に構いませんけど
特田さん
よかった。じゃあ早速、







特田さんは私と弟を交互に見てから、口を開いた。







特田さん
今朝から気になっていたことなんだけどね。君たちずっと一緒に行動してるけど、恋人同士だったりするのかな?
あなた
なっ、







絶句する私の横で、弟はきょとんとしている。







あなた
違いますよ。私たち恋人同士じゃなくて、双子なんです
特田さん
双子?
轟焦凍
はい。俺が弟で、あなたは姉です
特田さん
そうだったのか、なるほどね







特田さんは納得したというように頷いた。





てか、苗字一緒だからまず最初にそれを考えるでしょ。





似てないからわからなかった、っていうのはもう聞き飽きたよ。







轟焦凍
それがどうかしたんですか?
特田さん
いや、単なる興味本位だから、気にすることないよ







弟に目線を向けている特田さんを見て、気がついた。





彼の目は、なにかを探っているような、そんな目をしている。





新聞記者の人だから当たり前なんだろうけど、なんかちょっと、違和感があるというか...。





でもなにか企んでる様子もなさそうだし...。





なんなんだろ。

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