第376話

No.374
8,451
2021/02/24 04:44
轟焦凍
もうわかっただろ
モブキャラ(女)
っ、嘘...。どうせ演技でしょ!?本当は付き合ってないんでしょ!?







いやさっき言ったじゃんか。





まず付き合ってもない人とキスなんてしない、って。





まあ、恋人じゃなくて姉弟なんだけどさ。







轟焦凍
さっきも言っただろ。俺とあなたは付き合ってる、証拠としてキスもした。納得したんじゃねえのか
モブキャラ(女)
納得できないに決まってる!ねぇお願い、轟くん。やっぱり私と付き合おう?
轟焦凍
!なんでそうなるんだ...!







弟はもう隠す気はないらしくて、思いっきり表情を顰めている。





てか、ほんとにしつこいな。







モブキャラ(女)
じゃあお願い!あんたの彼氏私にちょうだい!
あなた
はぁ?







私は思わず声を上げた。





いやありえないでしょ。





彼氏ちょうだい、って、普通は言えるものじゃないよね?





頭おかしいんじゃないのかな、純粋に思うけど。







轟焦凍
お前いい加減にしろよ、前から付きまとってきやがって...!正直うざいんだよ!







とうとう我慢の限界だったらしく、弟が女子生徒への怒りを露わにする。





でも女子生徒は懲りないようで、ずっと弟の腕にしがみついて離れない。







モブキャラ(女)
お願い轟くん!ねぇお願い!こんな女じゃなくて私にしてよ!
轟焦凍
いい加減に離してくれ







あーもう、焦れったい。





弟が本気で困ってることがわかんないのかな。





私は痺れを切らし、弟の方に近づく。





そしてそのまま、弟の腕にしがみついて自分の方へと引き寄せた。







あなた
焦凍から離れて
轟焦凍
モブキャラ(女)
なによ!轟くんは私の彼氏になるんだから、そっちこそ離れてよ!
あなた
焦凍は"私の"だから!!







我に返る。





苛立ちで口走ってしまった言葉に気づき、私は慌てて口を塞ぐ。





が、ばっちり弟には聞こえていたらしくて...。







轟焦凍
...







大きく目を見開き、私を見つめていた。





と、弟は突然女子生徒の腕を乱暴に振り払う。





驚いている女子生徒には目も向けず、そのまま私を抱きしめた。







あなた
ちょ、なに
轟焦凍
...







離れろや。





さっきの言葉といい今の行動といい、さすがに恥ずかしすぎる。





柄じゃないんだからさぁ。







モブキャラ(女)
轟くんから離れてよ!







以前言っていたことと同じようなことを言うと、女子生徒は私と弟を引きはがそうと手を伸ばしてくる。





が、







轟焦凍
触るな







弟が低い声で呟き、女子生徒の手を乱暴に払い除けた。

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