第536話

No.532
6,605
2021/06/24 14:34
緑谷出久
あ、轟くん、おはよう
轟焦凍
ああ。おはよう、緑谷







共有スペースにて。





私は弟の後ろに隠れながら、ぽてぽてと歩いていく。





ドッキリ仕掛けるとかそんなんじゃない、ってわかってるんだけど、なんとなく後ろに隠れたかったんだよね。







緑谷出久
そういえば、轟さんは?
轟焦凍
?いるぞ
緑谷出久
どこに?
あなた
ここだよ
緑谷出久
あ、轟さん、おは...ええええ!!?







緑谷くんが私を見て、大声を上げる。





彼の大声を聞いたみんなが、なんだなんだとこちらに集まってくる。





それから緑谷くんと同じように、全員が驚いたように声を上げた。







上鳴電気
うぇえええ!?姫どったの!?
芦戸三奈
あなた可愛い!!
瀬呂範太
ちっさくなってんな〜







みんなは口々にそんなことを言いながら、私の頭を撫でてくる。





完全に子供扱いされてるんだけど...。







あなた
あー...起きたらなんか、こうなってた
上鳴電気
雑だな!
飯田天哉
原因はなにかわからないのか?
あなた
それが、なにも思いつかなくて...







原因は私が知りたいくらい。





だって、昨日の夜はなんともなかったんだもの。





急すぎるよ。







飯田天哉
とにかく、このことは相澤先生に報告だな。俺の予想では、恐らく個性事故だと思うぞ
あなた
うん。私もそう思ってる
切島鋭児郎
でも個性かけられた覚えないんだろ?







そうなんだよね。





いったいどこでかけられたんだろ。







麗日お茶子
でもあなたちゃん、体は小さくなってしもうたけど、今までの記憶はちゃんと残っとるんやね







お茶子ちゃんの言葉を聞いて、私は頷いた。





見た目だけが昔に戻って、でも記憶はそのままなんだ。





まあ、記憶まで過去に戻られたらとんでもないよ。





昔の自分なんて、見られたくないし...。







あなた
あ、ヤオモモちゃん。ひとつだけ、お願いがあるんだけど...
八百万百
あなたさん、なんでしょう?
あなた
本当に申し訳ないんだけど、制服と下着創ってくれないかな。サイズがなくてさ
八百万百
まあ、そうでしたのね。わかりましたわ、すぐにお創りいたしますわね
あなた
ありがとう







そう言ってから、気がついた。





ヤオモモちゃん意外の目が、私に向いていることに。







上鳴電気
え...姫今、下着はいてない、って...
あなた
え、うん。だってサイズないし...
青山優雅
じゃあ今は、下はすっぽんぽんってことかい?
あなた
す、!?







待て、なに言ってんだ私。





自分が口にした言葉に恥ずかしくなり、ぶわあっ、と顔を赤くする。





そんな時だった。





弟が、私を胸の中に抱きかかえたのは。

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