第59話

No.59
20,711
2020/12/17 12:58
あなた
ふわぁ...








朝。





いつも通りの時間に、目が覚める。





と、







轟焦凍
...








すぐ目の前に弟の顔。





そういえば、一緒に寝たんだっけ。





結構強引だったけど。







あなた
起きて。朝だよ
轟焦凍
...








返事なし。





軽く動いただけ。





起きろや。







あなた
遅刻するよ、起きて
轟焦凍
...もうちょっと
あなた
だめ








遅刻すんだろが。





私は弟を見て、軽くため息をついた。





にしても、ホントに綺麗な顔してるよねこいつ。





どうやったらそんな美貌が出来上がるのか知りたいよ。





顔のパーツが全部素晴らしい位置に揃ってんだもん。





まあ、お母さんが美人だからね。





お父さんは.....うん。





って、こんなこと考えてる場合じゃないや。







あなた
起ーきーろー
轟焦凍
...ん〜








そんな態度とるんだね、よくわかった。





じゃ、奥の手を使いますか。







あなた
早く起きないともう一緒に寝ないから
轟焦凍








そう言った途端、弟は物凄いスピードで布団から起き上がった。





言葉ってすごいね。





これからはこれを使おう。







あなた
おはよ、焦凍
轟焦凍
ん...おはよ、あなた
あなた
こら、抱きつくな








起きたかと思えば、私に寄りかかるようにして抱きついてくる弟。





支度させてよ、遅刻する。





今日林間合宿なのに遅刻したらヤバいでしょーが。







あなた
ほら、早く着替えて朝ごはん食べるよ
轟焦凍
うん








眠そうにぽやっ、としている弟。





これ以上構っていると時間がなくなるので、放っておく。





慌てて自分の部屋に行き、制服に着替える。





持ち物は確認済みだから、心配ないはず。





さっさと準備を済ませ、朝ごはんを食べにリビングに行く。







あなた
おはよ、お姉ちゃん
冬美
おはようあなた。朝ごはんできてるよ








相変わらず健康な朝ごはん。





やっぱりいつ見ても美味しそう。





一週間は、お姉ちゃんのご飯食べられないのか。





ちょっと寂しい。







冬美
あれ、焦凍は?
あなた
もう来るでしょ








そんなことを話していると、制服に着替え終えた弟がリビングに入ってくる。





寝癖だらけじゃん、だらしないよ。





まだ眠そうだし。







冬美
おはよう焦凍。眠そうだね
轟焦凍
ああ、寝みぃ








ふわぁ、と大きくあくびをしながら、弟はゆっくり朝ごはんを食べ始める。





結構時間やばいってのに、よくそんなにトロトロ食べられるな。







あなた
ご馳走様っ!お姉ちゃん、美味しかったよ








そう言って食器をシンクに運び、洗面所に行く。





顔を洗って歯を磨き、髪を整える。





たぶん、縛ってる時間はないと思うから、バスの中で縛ろう。





とりあえずアイロンしなきゃ。





ま、自分の手を温めてアイロン代わりにするんだけどね。





いい個性だよ。







轟焦凍
あなた、顔洗っていいか?
あなた
いいよ








いつものヘアバンドをして、弟は顔を洗う。





前髪とか意外と長いから、水がかかって濡れちゃうんだよね。





だから、こうやってヘアバンドしてるんだ。





...私の所有物なんだけどね。

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