弟の言葉に反応できなくて、私はただただ喘ぐばかり。
弟も声を漏らしながら、なにかに耐えるように歯を食いしばっている。
最初はゆっくりだったスピードが、徐々に速さを増していく。
お互いに少し慣れてきたところで、弟はそう言って腰を振るスピードを上げ、奥まで突いてくる。
私は思わずしがみつくようにして、弟の腰に自分の足を絡ませた。
弟はそう言いながらも、腰を振るスピードは劣らない。
声が抑えられなくて、私は思わずすぐ側にあった枕を手に取り、顔を埋めた。
そう言うと、弟は枕を掴み、そっ、と私から外す。
全身の力が抜けてしまった今、私には抵抗する気力なんてなかった。
弟はそう言って私の頭を撫でてきたかと思うと、ちゅ、と唇にキスをする。
そして再び舌をねじこんできて、私の舌と絡ませてくる。
私だって純粋なわけじゃない。
性行為のことも、こういう言葉だって知っている。
この感覚は、知らなかったけれど。
弟は私の言葉を聞くと、腰を振るスピードをさらに速めてきた。
ぐちゅぐちゅと卑猥な水音が響き、頭がふわふわとした感覚に襲われる。
そして次の瞬間、頭が真っ白になった。
身体が今までにないくらい、びくびく、と跳ねる。
自分がイったことを自覚したのは、弟が私から出たものを見せつけてきたからだ。
つぅ、と流れた生理的な涙を、弟がそう言って再び拭ってくれる。
それから、ずいっ、と顔をこちらに近づけて、口を開いた。
慌ててこくこくと頷くと、弟は「いい子だ」と言って笑う。
それから再び、私の額にキスを落とした。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!