第517話

No.514
6,769
2021/06/12 12:52
芦戸三奈
すごっ、やっぱりめっちゃ綺麗!
切島鋭児郎
さすが姫だな!







着替えを終えてから恐る恐る出ていくと、みんながわっ、とこちらに集まってくる。





恥ずかしいんだが。







瀬呂範太
へぇ、髪型もちげーのな
飯田天哉
似合っているぞ、あなたくん!
あなた
あはは、ありがとう







なんか照れるなぁ。





こういうこと言われ慣れてないから恥ずかしい気持ちもあるけど、今は嬉しい気持ちの方が強いや。







拳藤一佳
あれ?A組じゃん!どうしたの?







その声に、みんなが振り向く。





見れば、ドレスに身を包んだ一佳ちゃんが立っていた。







切島鋭児郎
おー拳藤!そうか、拳藤もミスコン出てたんだったな!
拳藤一佳
一応ね。で、A組はなんでここに?
上鳴電気
姫のドレス姿見にきたんだぜ
拳藤一佳
あー、あなたのか。納得







どこに納得する要素があるんだ一佳ちゃん。







芦戸三奈
ねえねえ、てかさ!
あなた
なに?
芦戸三奈
あなたが着てるドレスって、ウェディングドレスだよね!?







え、なんでわかるの。





女子たちはそれを聞くと、目を輝かせた。







麗日お茶子
それウェディングドレスやったんね!
葉隠透
じゃあ王子様を探さなきゃ〜!
八百万百
あなたさんの王子様...どなたでしょう?
蛙吹梅雨
やっぱり、轟ちゃんじゃないかしら
耳郎響香
まあそうなるよね
芦戸三奈
そうと決まれば、轟〜!
あなた
え、ちょっ







きゃっきゃといつの間にか話は盛り上がり、弟を呼んでいた。





女子たちがはしゃぐ中、私はおろおろ。





弟は突然呼ばれたことに驚いているのか、きょとんとした表情でこちらに歩いてきた。







轟焦凍
なんだ?
芦戸三奈
あなたのこのドレスね、ウェディングドレスなんだって!
轟焦凍
!そうなのか
芦戸三奈
でね、でね!考えたんだけど







三奈ちゃんは私の方をちらりと見てから、再度口を開いた。







芦戸三奈
今ここで、あなたのことお姫様抱っこしてみてよ!それか口説いてみて!
あなた
ちょ、三奈ちゃん!?







急になにを...。





ちらりと弟を見ると、弟も私を見つめていた。





え、なに。





弟はじぃいっ、と私を見つめながら、口を開く。







轟焦凍
...あなた、こっちこい
あなた







まて、ほんとにする気?





思わずかたまると、弟は不思議そうな表情をする。





が、私が動かないのを見て、弟自らがこちらに歩いてきた。





そして、







あなた
轟焦凍
これでいいのか?







そう言いながら、軽々と私を抱き上げる。





A組のみんなは歓声(一部怒声)を上げ、一佳ちゃんはなにが起こっているのかわからないというような表情をしていた。

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