第39話

面倒くさい
2,340
2019/10/28 10:36
しばらく歩き、高嶺が立ち止まったのは…人が滅多めったに来ない非常階段。

太陽の光が遮断しゃだんされ、昼間でも薄暗いこの場所は誰も近づかない。
高嶺 純
高嶺 純
まず、この前の授業を抜け出してどこに行った?
松原 佑
松原 佑
…家に帰りました
高嶺 純
高嶺 純
嘘だな
高嶺 純
高嶺 純
姉が帰ってこないと妹がさわいでいたらしいからな。
今まで私が家に帰らなくても、佑美は気にもめていなかった。
松原 佑
松原 佑
(なのに、なんで…)
私の何が気にいらなかったのか…
それとも、用事があった?
ただ、文句を言いたいだけ?
松原 佑
松原 佑
(面倒くさそうな予感しかしない…)
高嶺 純
高嶺 純
お前が普通の生徒ではないことは分かっている。
自慢げな顔で、私を追い詰めたような気分になっているんだろうけど…普通のことだよね。

殺気を向けられたら、ただの一般人じゃないことくらい気づくでしょう。

それを、『俺は凄いんだぜ』的な顔をされても…
あきれを通り越して、笑いたくなるだけだから。
高嶺 純
高嶺 純
お前は何者だ、答えろ
松原 佑
松原 佑
別に、答える必要…ありませんよね?
高嶺 純
高嶺 純
お前ふざけるなよ?
高嶺 純
高嶺 純
もう一度言う。お前は何者だ
松原 佑
松原 佑
ふざけてるのは先生ですよね
松原 佑
松原 佑
生徒のいじめを見て見ぬふりして…
松原 佑
松原 佑
生徒の情報を勝手にぎ回って。
松原 佑
松原 佑
それで、情報をつかむことができなかったからおどしですか?
國代さんから、私の情報を荒らしている人物がいると連絡があった。

ダサい姿の私の情報を探ろうとする人なんて限られているし、この前も探ったと言っていたから、すぐに高嶺だと分かった。
高嶺 純
高嶺 純
白銀の姫を虐めているような女を助けるわけがないだろ。
高嶺 純
高嶺 純
白銀に害があるかを確かめようとしただけだ。
高嶺 純
高嶺 純
それの何が悪い?
私の物言いが気に食わなかったのか、今にもキレてしまいそうだ。

自分の意見が正しいと思い込んでいる残念な人。
話を聞いていると、自己中心的な考えで呆れる。

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