第14話

私の汚点
2,977
2019/06/12 15:14
吉田 陽太
吉田 陽太
どうせ俺らに気にかけてもらいたいからって、わざと無視したんだろ!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
松原 佑
松原 佑
(あー、はいはい、カッコいいですね)
白銀の幹部で、喧嘩も強くて、顔も整っていて、惚れない女はいませんよねー。
みんながあなた達のとりこですよ。
うんうん、よ〜く、わかった(・∀・)
松原 佑
松原 佑
(でも、私は白銀なんかに興味ないし、その辺のブランド目当ての女と一緒にしないでもらいたい)
永瀬 湊
永瀬 湊
おい、陽太。言い過ぎだ
永瀬 湊
永瀬 湊
…それよりお前、何者だ?
永瀬廉。
彼は全国No.2である望月組の傘下、永瀬組の若頭だ。
永瀬組自体はそんなに大きな組ではないが、裏の人間に関わっているから、私の気配の変化に気づいたんだろう。
松原 佑
松原 佑
(バカばかりだと油断するんじゃなかった…)
松原 佑
松原 佑
凪沙高校に通う普通の女子高生…ですけど…
松原 佑美
松原 佑美
ゆぅ……
声の方を見ると祐美がいた。
目に涙を溜めて肩を震わせ私に怯えているように、永瀬の後ろに隠れてしまった。
勿論もちろん、全て演技だ。
祐美は私と正反対に振舞っているから、双子には見えないだろう。
顔を合わせるたび、本当に嫌になる。
私と同じ顔が目の前にある、この気持ち分かる?

祐美を…自分を鏡で見るたびに嫌いになる、この顔。
吉田 陽太
吉田 陽太
祐美…まだ佑に嫌がらせされてるのか?
松原 佑美
松原 佑美
ゆぅは悪くないの。祐美が悪いの。祐美がうざいからぁ….°(ಗдಗ。)°.
そう言って泣き出してしまった。
演技で涙を流すなんて、女優にでもなればいいと思う。
永瀬 湊
永瀬 湊
おい、どういうことだ。陽太、説明しろ
吉田 陽太
吉田 陽太
この地味女は祐美の双子の姉だ。見ての通り祐美は可愛いけど、こいつは不細工だろ?それで逆恨みして祐美に陰で嫌がらせしてんだよ!
松原 佑
松原 佑
(…そんな風に言われているのか。その話が本当だったら、この弱そうな地味女に嫌がらせされて泣くとか…どれだけ弱いんだよ)
そんな嘘も見抜けないなんて、とことん失望する。
子供の頃、
吉田陽太が好きだったなんて…





















一生の汚点だ。
永瀬 湊
永瀬 湊
ブスの妬みほど醜いものはない。お前は人として最低だ、祐美に謝れ
松原 佑美
松原 佑美
みーくん、大丈夫だよぉ?祐美、我慢できるもん。だから、だから…ゆぅを怒らないでぇ?
永瀬の腕に自分の腕を絡ませ、上目遣いで見上げている。
そうすると、永瀬の顔が少し緩んだ。
松原 佑
松原 佑
(何、この茶番劇。私もう、帰っていいかな?)
永瀬 湊
永瀬 湊
次、祐美に何かしたら白銀を敵に回すと思え。絶対に許さないからな。祐美の姉だからって容赦しない
永瀬が殺気を出して睨んでくる。
普通の人なら立ってもいられないだろう。
その証拠に永瀬を見る陽太と笹本と祐美の顔が恐怖で青ざめている。
松原 佑
松原 佑
(…ふーん、このくらいの殺気しか出せないんだ。こんな殺気では私には効かない)
松原 佑
松原 佑
(だけど…)
怖がって声が出せないふりをしておく。
すると彼らは、何も話さなくなった私に興味をなくしたみたいだ。
永瀬も怒りのあまり、これ以上追及する気も失せたようだ。
吉田 陽太
吉田 陽太
み、湊、怒りすぎだ!祐美も怖がってるだろ!
永瀬 湊
永瀬 湊
悪い、怖かったか?
松原 佑美
松原 佑美
うぅん。私のために、ありがとぉ(^^)
にっこりと微笑んだ祐美の笑顔は、周りから見ると“天使みたい”らしい。
全て計算しつくされた笑顔のどこがいいんだか、私には理解できない。
吉田 陽太
吉田 陽太
こんな奴、ほっといて早く倉庫に行こうぜ!
陽太の一言で彼らと祐美は去っていった。
松原 佑
松原 佑
(ホントに迷惑なんだけど)
祐美が白銀の姫になってから何かと面倒事が回ってくる。
関わりたくもなかった祐美にも白銀にも関わってしまった。
鞄から飴を取り出し、口に入れてすぐに噛み砕く。
私はそのまま家に帰ることはなく、ある場所に足を運んだ。

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