第26話

『狂った魔女』の恐ろしさ
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2019/08/09 10:13
その日もいつも通り繁華街に行き、路地裏を目指して、喧嘩を吹っかけられるのを待っていた。
ヤンキー
狂魔ァ、あの時の礼に来てやったぜ
私の前に鉄パイプを持った男が20人ほど。
振り返ると更に10人ほどいた。
松原 佑
松原 佑
(…挟まれたか)
ヤンキー
俺たちのこと覚えてるよなぁ?
松原 佑
松原 佑
知らない
ヤンキー
つれないねぇ、自分がボコった相手を覚えてないなんて
ヤンキー
狂魔に恨みがある奴らが集まったんだよ!
ヤンキー
こんだけ人数がいれば流石の狂魔も敵わないだろ
松原 佑
松原 佑
(…面倒なことになったな)
こんな大人数相手に喧嘩したことないんだけど。
ヤンキー
おめぇら!行くぞ!!
ヤンキー
「「「「おぉ!!!」」」」
鉄パイプやバットを持った男達が一気に襲いかかってきた。
考える時間も与えてくれそうにない。
私が鉄パイプを上手く避けると、他の男に当たり自滅した。
その隙に周りにいた男4人を蹴り飛ばすと、ドミノ倒しのように崩れた。
しかし、間髪を入れず次々と襲ってくる。
バットを手で受け止め、相手が動揺しているうちに蹴り上げて気絶させる。
1人1人確実に倒していく。

残りは10人だけになった。
しかし、既に20人以上の男を相手にした私はかなり体力を消耗しょうもうしていた。
息も上がり、あと10人も相手にする体力は残っていない。
松原 佑
松原 佑
いっ!?
後ろから頭を鉄パイプがかすった。
殴られたところがズキズキと痛む。
そこを触ると、あり得ないほどの血がついた。

もし、ここで倒れたら……ヤラレル。
戦わないと、勝たないと……ヤラレル。

最後の力を振り絞り、長い前髪をかき上げ、敵を睨みつける。
邪魔な前髪がなくなり、視界が広くなった。
頭からツーっと頬をつたって、血が汗のように流れ落ちた。
松原 佑
松原 佑
来いよ。叩き潰してやる
ヤンキー
「「「「っ!?」」」」
私の顔を見た瞬間、何故か男達が動かなくなった。
怯えた表情をして、私を見ている。
松原 佑
松原 佑
来ないの?じゃ、こっちから行くよ…
一歩一歩近づいていくと、逃げるように男達は後退りをする。
そして、化け物を見るような目で私を見ている。
先ほどまでの威勢はどこに消えた。
早く終わらせて、体を休めたい。
鬼ごっこをしている暇はないんだ。
ヤンキー
ひ、ひぃ……
ヤンキー
こっちに来るなぁ!
ヤンキー
な、なんで笑ってんだよ!
そう言われて気がついた。

…私、笑ってるんだ。
頭を殴られておかしくなったのかもしれない。
だけど、そんなことどうでもいい。
今の私だったら負ける気がしない。
松原 佑
松原 佑
ねぇ、なんで逃げるの?
喧嘩を売ってきたのはお前らじゃん
ヤンキー
マジでやばいぞ、あいつ!
ヤンキー
こ、こ、殺される…
ヤンキー
早く逃げるぞ!
松原 佑
松原 佑
逃すわけないでしょ((ボソッ
小さく呟いた声は思ったよりも路地裏に響き渡った。
逃げ出した男達の1人に一瞬で追いつき、拳を握る。














???「はい、ストップー」





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