第47話

幹部部屋の中で
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2019/11/25 10:32
横山 航
横山 航
はいはーい( ´ ꒳ ` )ノ
横山 航
横山 航
航きゅんが姉さんを連れてきたよー
航の背中で部屋の様子は見えないが、鋭い空気になったのが分かった。
永瀬 湊
永瀬 湊
お前の冗談じょうだんに付き合ってやるほど
暇じゃないんだ。
松原 佑美
松原 佑美
冗談……なのぉ?
永瀬 湊
永瀬 湊
すぐ見つけてやるから
笹本 奏多
笹本 奏多
顔を見せないと思ったら…
能天気な人ですね
吉田 陽太
吉田 陽太
そうだよ!お前、協力しろよな!
松原 佑
松原 佑
(航って、白銀では酷い扱われ方なんだ)
あの“琥珀”だと分かってやっているのか…
それともバカだから分かってないんだろうか…
松原 佑
松原 佑
(…まぁ、この距離で私の気配に気づいてないくらいだから、後者だろうけど)
横山 航
横山 航
酷いじゃねぇーの。
横山 航
横山 航
ほら、姉さんでしょーよ
航がみんなに見えるように私を前に押し出した。

総長に幹部、佑美、全員の視線が私に集まる。
本当にいると思わなかったのか、一瞬思考しこうが停止したみたいだが…すぐに理解したようだ。

幹部たちは嫌悪感けんおかんを隠すことなく、き出しにしている。
佑美を見ると、うつむいて抑えきれない笑みを隠していた。
永瀬 湊
永瀬 湊
航、よくやった
横山 航
横山 航
だろー?そーちょーさん
幹部部屋の中は、3つのイスがコの字型になって、
1番奥の2人用のソファーに永瀬湊と佑美。
3人用のソファーに笹本奏多。
その前にある3人用のソファーに吉田陽太が座っている。
航は笹本の隣に腰をかけた。
永瀬 湊
永瀬 湊
お前、どこで何をしていた
永瀬が佑美の肩に手を回し、偉そうに聞いてきた。

姉を心配している妹を演じている佑美は涙をこぼしている。
松原 佑美
松原 佑美
ゆぅ…どうして…帰ってこないのぉ?(´இ□இ`。)°
松原 佑美
松原 佑美
佑、何かあったのかと…心配で……
うるうるさせた瞳で上目遣いをしている。
自分の顔をどうすれば可愛く見せられるか、佑美はよく分かっている。

私と同じ顔が憎たらしい。
松原 佑
松原 佑
……
永瀬 湊
永瀬 湊
なんとか言えよ
何も話さない私に苛立った永瀬がテーブルを蹴りあげた。

それに驚いた佑美が肩をふるわせる。
吉田 陽太
吉田 陽太
佑美、奥の部屋に行ってろ
松原 佑美
松原 佑美
うん
ドアを閉める瞬間、振り向いた佑美と目が合う。
それはそれは楽しそうに、口元を緩めていた。
吉田 陽太
吉田 陽太
…どれだけ佑美に迷惑かければ気がすむんだ。
吉田 陽太
吉田 陽太
いい加減にしろよ!!
佑美がいなくなった途端、陽太が怒鳴りつけてくる。

そして、乱暴らんぼうに私の胸倉むなぐらを掴み上げた。

横目に航が動こうとしたのが見えたので、目で訴える。
松原 佑
松原 佑
別に…関係ないでしょ
吉田 陽太
吉田 陽太
ざけんなよ?
ギリギリと掴む力を強められ、普通に息苦しい。
だけど、ここで目をらすのも負けた気分なるから、私は無表情をたもつ。

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