第58話

周りの反応
2,472
2019/12/11 10:46
江原 春樹
江原 春樹
お前ら、絶対に許さない。
江原 春樹
江原 春樹
今後、一切いっさい佑に近づくな。
江原 春樹
江原 春樹
近づいたら…殺す
その春樹のたった一言で冷めてた心が温まる。

私の気持ちを理解してくれることが何よりも嬉しい。

春樹はどんな私でも受け入れてくれる、それがどれだけ嬉しいことか…。
松原 佑
松原 佑
行こ
もうこの人達と同じ空間にいるのも嫌だ。

見たくもないし、同じ空気を吸いたくない。

私は席を立った。
春樹と航を横目で確認してドアに向かう。
高嶺 純
高嶺 純
お、おい。まだホームルーム終わってn((
江原 春樹
江原 春樹
うるさい、俺に指図さしずするな
高嶺からかけられた声で、春樹のイライラは爆発したらしい。

表情が消え、抑えることなく殺気を放っている。

高嶺は春樹の殺気に怖気づき、息を呑んだ。

その空気にえられないのか、クラスメイトは…体を震わせたり、涙を浮かべたり、顔を真っ青にしたりしている。



航も一瞬だけ肩を震わせたものの…裏の世界に関わっているだけあり、すぐに平然とした。

春樹は気が収まらないのか、高嶺を睨み続けている。
松原 佑
松原 佑
(一体、いつまで睨んでるつもりなの…)
松原 佑
松原 佑
(早く静かな場所に行きたいのに)
松原 佑
松原 佑
春樹、置いてくよ
江原 春樹
江原 春樹
……いや
松原 佑
松原 佑
なら早くして。
松原 佑
松原 佑
航も置いてくよ。
横山 航
横山 航
ダーメ
私の隣にやっと来た2人は不服そうにしている。

教室を出る際、春樹の睨みがよほどこたえたのか、高嶺はもう注意をしてこなかった。

この2人と歩いていると、当たり前だけど視線しせんが集まる。

女子は顔を赤くして叫び、こびを売ってきてうるさい。

私に向けられるのは、佑美と比べているような視線。

そっくりだとか、佑美よりどうだとか…。

そんなことが聞きたくなくても耳に入ってくる。


私は苛立ちに耐えられず、口の中の飴を噛み砕いた。

そんな私に気づいた春樹は、何も言わずに手を握り締めてくれた。



旧校舎までの距離を、これほど長く感じたのは初めてだ。

プリ小説オーディオドラマ