第3話

あなたside
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2020/06/21 12:22 更新
一人の男の子が座ってた。
あなた
あなたも家がないの?
気づけば声をかけていた。
私は家族がいない。
殺されたから。
特別悲しい訳じゃなかった。
両親とも私のことを愛してなかった。
私が醜いから。雪のように白い髪に血のように赤い瞳。
妹の方が優秀で、なんでもできて、器量だって良い。だから妹が愛された。
妹が名門の女学院に通う代わりに私が働いた。
私は名前も付けられなかった。
妹がちょうど帰ってきていたとき。私は妹の学費のために出稼ぎにいっていた。帰ったら家族が死んでいた。血塗れだった。
我妻善逸
あなたって呼んでいい?
私は嬉しかった。あなたって、可愛くて私に似合うのかな。
あなた
いいよ。素敵な名前ね。ありがとう。
我妻善逸
一緒に住もう?
初めて言われた。私のことを受け入れてくれる。
あなた
うん。
私はそんな君が好きだった。
彼は借金をしてた。それなのに、私に貢ごうとする。困ってるの知ってるよ?
借金取り
オイ!いつになったら借金返すんだよ!
そして幸せは壊された。
私を売ることにしたみたいね。借金取り。
別に怖くない。彼のためになるなら、なんでもする。
あなた
ねぇ!ありがとう!私嬉しかった!私を愛してくれて、大切にしてくれて、私はそれだけでいっぱいだから、ね?
彼は涙を流しながら引き留めてくれた。
そういうところだよ?そうやってやさしいから騙されちゃう。
でもそんな君が好きなんだ。私は君が幸せになるなら、それでいい。
あなた
幸せになってね?
私はそう静かに言った。
私は売られた。そこでお母さんとお父さんに出会った。
そして私は藤の家紋の家の娘として、今も暮らしている。

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