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第1話

プロローグ① 「恋がしたい!」
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2019/10/22 05:49
――その日、私はやっとそのことに気がついた。

現在私は中学一年生。

季節は春の終わりごろである、6月。

ようやく慣れてきた教室で見たのは――

好きな人の話題で盛り上がっている女子たち。

そして、男子にからかわれている一組のカップル。

そう、恋愛ムード一色の空気だった。

私――あなたは、それまでずっとまだ恋なんて早い!と思っていた。

けれど、その光景を見てからは強く「恋がしたい!」と思うようになった。

でも、クラスにいい男子――好きになれるような――はいなかった。

それに、「好きな人を作る方法」も分からない。

そこで私は、三人の親友――荒田あらた 奈々なな佐川さがわ 琴音ことね十文字じゅうもんじ 莉緒りおと協力して、「好きな人を作る方法」を探すことにしたのだった・・・

――――――――――
――――――――――――――――――――

あなた

と、いうわけで!恋がしたい乙女たち・・・・・・・・・の会議を始めます!

奈々
奈々
いや、なんでそんな壮大な前振り?!それと、「恋がしたい乙女たち」って何?
あなた

え、私たちに決まってるじゃん!

奈々
奈々
知らないよそんなの!中二病っぽくて恥ずかしいからやめて!
琴音
琴音
まぁまぁ奈々ちゃん、落ち着いて~
奈々
奈々
琴音は楽観しすぎなの!
あなた

ふたりともケンカしないでー!

奈々
奈々
もとはといえばあなたでしょうが、原因は!
あなた

うぐ・・・

「恋がしたい!」と強く思った次の日。

ちょうど学校が休みだったので、さっそくみんなを私の家に招いて会議を開いた。

なんだか話題がずれてるけど、楽しいからいっか!

まぁ、メンバーを紹介しておきましょう。

目の前で騒いでいるのが、奈々。

さらさらの髪をポニーテールにした、委員長気質の女子だ。

奈々を宥めていて、ほんわかオーラが出ているのが、琴音。

紺色の少しふわふわした髪を下ろしていて、かわいいんだ。

私たちは、幼稚園の頃からの親友。

ずーっと4人・・で固まって行動していた。

でも、もうひとりの親友――莉緒は、最近不登校になってしまった。

莉緒は栗色の髪をツインテールにしていて、モデル並にかわいい。

おばあちゃんがどこかの会社の社長らしいんだけど、詳しくは知らないんだ。

今日も誘ったけど、来てない。

なんか寂しいな・・・と、思ったそのとき。

――ピーンポーン

家のチャイムがなった。

私たちは顔を見合わせる。
奈々
奈々
あなた、誰?
あなた

分かんないや。とりあえず見に行ってくる。

琴音
琴音
もしかして――莉緒ちゃん、なのかな?
奈々
奈々
それはさすがにないんじゃあ・・・
あなた

――おーい!莉緒だったよ!

奈々
奈々
嘘でしょ?!
莉緒
莉緒
やっほー、ひさしぶりー
琴音
琴音
ひさしぶり、莉緒ちゃん。元気そうだね。
私の家に来ていたのは、莉緒だった。

事情があって遅刻したんだって。

元気そうで、ちょっとホッとする。

奈々が驚いた表情のまま固まっているのが少し面白い。

ちょん、とつつくと戻ってきた。

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