第23話

満員電車×藤原樹
2,501
2022/04/18 23:23
社外での打ち合わせの帰り。

彼と駅に向かう間、そっと私の手を握ろうとする。
(なまえ)
あなた
だめだよ
樹
なんで?
(なまえ)
あなた
今は仕事中です
分かりやすいくらい落ち込む彼。

彼とは付き合ってそろそろ1ヶ月。

社内で知ってるのは誰もいないから、秘密の関係。

駅に着くと、なんだか人が多い。
樹
遅延みたいですよ
(なまえ)
あなた
そうなんだ
ホームに人が押し寄せてるのもあってか、立ってるのもやっと。

腕を掴まれ引き寄せられると、胸の中に寄りかかる態勢に。
樹
ちゃんとそばにいてください
(なまえ)
あなた
う、うん
ようやく電車がきて多くの人が降りてくる。

でも、並んでいた人たちに押されてそのまま電車に乗ることになる。
樹
キツくないですか?
(なまえ)
あなた
少し。でもみんなそうだから仕方ないよ
窮屈なまま、電車が揺れていく。

扉側に詰め込まれて、向かい合わせで立つ私たち。

満員電車だから近いのに、急な揺れで咄嗟に壁に手をつく彼。
(なまえ)
あなた
待ってっ、近いって//
樹
仕方ないでしょ
(なまえ)
あなた
でもっ//
悪戯な顔してさらに近く彼。

もう、鼻と鼻が触れそうな距離に。
樹
こんな近いと、やること一つしかないですね?
(なまえ)
あなた
え?
樹
していい?キス、、。
(なまえ)
あなた
だめだよ。ここ電車っ誰かに見られちゃう//
樹
こうしたら見えないですか?
私の顔の横に両肘をつけ覆い被さる。
樹
どうします?
(なまえ)
あなた
そんなこと言われても、、
樹
嫌だったら離れて
どんどん近づく顔。窮屈な場所で離れられないのを知ってるのにそんなこと聞いてくるなんてやっぱりずるい。

そんなこと思っている間にもさらに近くなる距離。

無意識に目を閉じてしまう。

でも、唇には何も感じない。
樹
あなたさんもしたかったんですね笑笑
(なまえ)
あなた
っ//
樹
じゃあお望み通りにしてあげる、、
そして次はちゃんと唇が重なり合う。

まさか、こんなところですると思わなかった。

そっと目を開けると、嬉しそうに微笑んでる彼がいた。
樹
もう一度します?
(なまえ)
あなた
し、しません//
樹
じゃあ、これだけは許してくださいね
背中に手が周りきゅっと抱きしめられる。
樹
着くまではこのままで、こうさせて?
耳元で囁かれて、恥ずかしさのあまり顔を埋めるしか無かった。

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