作ったお菓子をラッピングしていると、後ろから声をかけられる。
寂しそうな目で覗き込む彼。
明らかに落ち込んでいた彼の姿を見て、申し訳なく思う。
急に明るい声で嬉しそうにする壱馬。
でも、残っていたのは不恰好のマフィンばかり。
止めても一口食べてしまう壱馬。
頭を引き寄せられ、ちゅっ、、っと音を立てて唇が重なり合う。
いつもより、彼とのキスが甘く感じるのはチョコのせい?
お互い目が合うと笑い合い、優しく抱きしめられる。
ゆっくり温かい時間が流れる。
もう一つ食べるって、あとひとつ残っていたマフィンを食べる彼。
美味しそうに食べてくれた彼の口元にはチョコが少し付いていた。
一生懸命取ろうとしてるけど、全然違う場所で。
その姿が可愛らしくて、、。
ペロっと口元に付いていたチョコを取ると顔を赤らめる彼。
物欲しそうに見つめられたら何も言えない。
さっきは勢いでやったけど、改めてやるとなると恥ずかしい。
でも、彼の両頬に手を添えて軽くキスをする。
彼から何度もキスをされ、結局主導権を握られる。
こうやって彼の愛がしっかり伝わるからそれはそれで悪くはない。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。