勝手だけど先輩の家に押しかけて、料理を披露する。
エプロンをバックから出してきたところを見せる。
出来損ないの私をいつも気にしてくれて、可愛がってもらってる先輩が異動するからって今までのお礼を兼ねて料理を練習してきた。
先輩のために、料理教室にまで通ってこの日のために準備してきた。
いつも使ってたものでないから、勝手が分からなくてドタバタしてしまう。
心配してわざわざ来てくれる臣さん。
でも、、。
あとこれを煮たら終わる。
そう思っていたのに、少しよそ見をして勢いよく蓋が足に落ちてしまった。
思ったより熱くなってて、しゃがみ込む。
急いで私のところに来た先輩は急に抱き上げる。
急いでシャワー室に連れて行かれる。
膝に座らされ、蛇口からの水を直接当てられる。
怒られたのが初めてで何も返せなくなる。
足を掴んだまま、冷水に患部を当て続ける。
ぎゅっと抱きしめられる。
体から先輩の心臓の音が響いて来る。
怒っているはずなのに、なんでか笑われる。
驚いて先輩をみると、重なり合う唇。
腰を引き寄せられ何度も重なる唇。
どんどん先輩の波に飲まれ、頭が回らない。
息が続かなくて、身体をはなそうとするけど、そんなの許してくれなくて、、さらに深いキスになっていく。
されるがままに先輩にしがみつくしかなかった。
ゆっくり唇が離れる頃には力が入らなくて寄りかかる。
私をそっと抱きしめてくれる。
嬉しそうに笑う先輩が最後におでこにキスを落とす。
もう、何も考えられないほど先輩でいっぱいになり、とっくに火傷の痛さもなくなっていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。