那須side
正直、最初はあなたのことが気に入らなかった
ジャニーズは男の世界って決まってるのに
自分より歳下の女子とレッスンなんてあり得ない
当時の俺は本気でそう思ってたし
あいつの顔を見るたびに勝手にイラついて
まともに話したことなんて一回もなかった
あの日までは…
ジャ「Youたちは今日から"Tokyo Boys"だよ」
俺とあなたを含めた6人のジャニーズJr.が集められて
ジャニーさんの口からそう告げられた
あなた「…那須くん、だよね?根木あなたです。」
『よろしく………』
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なんでよりによってこいつと?って何回も思った
だけどグループ名が"東京B少年"になる頃には
そんな気持ちもいつの間にかなくなっていた
だって俺はあなたの血の滲むような努力を知ったから…
『明日もレッスンだしもう終わりにしたら?』
あなた「那須は先帰っていいよ」
『そしたらあなたずっと自主練するじゃん』
あなた「もちろん」
『無理すんなっていつも言ってるでしょ?
なんでそんなに自分のこと追い詰めるんだよ…』
あなた「私は体力とか筋力とかでは勝てないから……
それを補うために頑張らなきゃいけないの。」
あなたの目にはいつも決意の炎が宿っていて
誰もが見惚れるくらい綺麗でかっこよかった
あいつは俺なんかよりずっとずっとアイドルで
それは俺たちが"美 少年"なった今も変わらない
調子乗るから本人には言わないけどね…?笑
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!