第17話

第十四話
26,578
2020/02/21 12:07
るぅと
るぅと
お風呂出来てますよ~
あなた

お、そうか。ありがとう

魔術書を読んで勉強していた頃、るぅとが
部屋まで呼びに来た。

るぅとは親切にも、風呂場まで連れて行ってくれた。
あなた

なんかごめんな

るぅと
るぅと
なんで僕にだけそんなに
謙虚なんですかww?
それはね…敵に回したら一番ヤバいやつだと思ってるからだよ…!!

とりあえず中に入ると、そこはまるで帝国の銭湯のような場所だった。
あなた

うわぁ、すごいな…広い…

コイツら、ほんとよくわからない所凝ってるなぁ…w
っていうかおどろおどろしくないしwww
あなた

魔王城って変な場所だよなぁ…あ、タオル巻いても大丈夫だってさとみから手紙が…

いい匂いの石鹸(未使用)を重りにして、手紙が置いてある。
なんか、沢山風呂がある。すごい…
あなた

軽く体を洗ったら浸かるかぁ…
え、露天風呂あるのか?

ヤバい看板を見つけてしまった!
露天風呂!すごいぞこれは!!
しかも天然水!美肌効果!!
お洒落に興味はないが、お風呂には目がないのだ…!!


上機嫌で体と頭を洗う。
あなた

よぉし、入るかぁ!

最初は花湯かな。
花びらこそ浮いてないものの、華やかな香りが今日の色んな出来事を忘れさせてくれる…




なのに。
たーっとぅーるっ、とぅーるっとぅるたー♪
あなた

!?!?

気の抜けた鼻歌が聞こえてきた。
この声…まさか…
ころん
ころん
あぁ~、ホントに今日も疲れた
ころんだぁぁぁぁぁ!!
ヤバいよ!!男の人入ってきた!!
嘘でしょぉぉぉぉぉぉ!?←気が動転してる

岩のベンチだったのが不幸中の幸いってやつだった。小柄だったのも幸いして、隠れる
ことが出来たのだ。
ころん
ころん
とっとー、とぅっとぅー♪
とぅくとぅー、とことこ♪
あなた

…w

アイツ…変なやつだなw
あんなご機嫌で気の抜けた鼻歌歌うやつ、
むしろなかなかいないぞ?
ころん
ころん
ち〇ぽこちんちち♪
ぽこ〇んぽ〇ちん♪
あなた

!?バシャバシャッ

驚きすぎて足が釣り、溺れる。
ころん
ころん
え!?ちょ、誰かいるの!?
大丈夫!?
ころんが駆け寄ってきた。
魔法でふわっと体がうき、岩のベンチに座らされる。
ころん
ころん
え、えええ…ええ!?あなた!?
カァァァッと赤くなっていく。
それに釣られて私も赤くなってしまう。
あなた

すまない…風呂が好きなものでな。上機嫌で来たせいで、入っているという看板立てるのを忘れていた…

ころん
ころん
う、うん…ごめん、
僕も気が付かなくて…/////
互いにタオルを巻いているものの、目の
やり場に困る。
ころんは細いくせに、美しい、適度な筋肉があった。だからといって上半身を見続けるのは耐えられないし、恥ずかしくて顔も見れない。多分、それはころんも同じなのだろう。

お互いに沈黙が続いていたが、沈黙を破ったのはころんだった。
ころん
ころん
あ、花湯なんでしょ?
いいもの見せてあげるよ
あなた

え?

パチン。
ころんが指を一度鳴らすと、花湯の横に桜の木が生えてきた。
と言ってもそんなに立派な太いものではなく細く凛とした気だったが。
花びらがヒラヒラと舞い落ち、水面に波紋をたくさん作っていった。
幻想的な光景に目を、奪われていた。


言葉が出ずにころんを見やると、
イタズラっ子の笑みで返されてしまった。

プリ小説オーディオドラマ